食道異物
小児の食道異物ではコインやおもちゃ・ボタン電池などを多く認めます。異物が食道狭窄部に嵌頓して通過障害を認めるため、直ちに摘出する必要があります。(特にボタン型電池では通電に伴い粘膜損傷が生じるので注意が必要となります。)
診察では詳細な問診が大切となります。食道異物の場合には嘔吐・嚥下困難・嚥下時痛・発熱などの症状がみられ、食道穿孔した場合、皮下気腫や縦隔気腫を生じ、食道周囲膿瘍や縦隔炎となる可能性があります。
検査上、異物は第1狭窄部に存在することが多く、頸部軟線撮影や造影検査で確認する場合があります。
摘出は小児では多くは全身麻酔下で行われ、手術中の迷走神経反射による徐脈や術後の喉頭痙攣に注意が必要となります。ファイバースコープでの摘出も行われています。
異物の状態により摘出時に食道粘膜損傷を生じる事があり、食道周囲膿瘍や縦隔膿瘍への進展を予防するため、経管栄養や抗生物質の投与を行う場合があります。
術前に皮下気腫・縦隔気腫を認める場合では、既に食道穿孔を生じた可能性が高く、頸部外切開や開胸により摘出を行うこととなります。
えんげのけんさ方法
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目で見てかくにん
口腔・咽頭・喉頭粘膜の状態を直接診察したり間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。発赤腫脹や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。また、少量ずつお水を飲んで頂いて誤嚥の有無を確認致します。 -
触ってかくにん
咽頭・喉頭・頸部全域を含め、腫脹があるのか、リンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。 -
くだを入れてかくにん
お鼻から管を入れて、咽頭・喉頭の各部位の状態とその動き、協調運動が問題なく行われているのか、誤嚥が無いか、梨状窩に残存は無いか等を確認することがあります。 -
超音波でかくにん
超音波の検査機械を使用して頸部全域の性状を確認する場合があります。病変の有無やと病変と他の組織の境界面や病変内部の信号の違い、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。 -
画像でかくにん
嚥下造影検査を行う場合があり、嚥下時の口腔から食道・胃までの造影剤の移動を観察し、嚥下開始のタイミングや誤嚥の有無、その機序や程度を動画として保存して確認することがあります。また、CT や MRI にて頸部から胸部の変化を確認し問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。 -
細胞や組織の状況をかくにん
必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、リンパ節等を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
その他のかくにん方法
アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。また、嚥下に関与する筋の筋電図を調べることもあります。