ここでは集団保育をご利用の方のために、耳鼻科の病気についての注意点について簡単にご説明させて頂きます。
保育園や幼稚園、などの集団保育施設をご利用の場合、子供がいろいろな病原菌やウィルスなどに接触する機会が高まることは御理解頂けると思います。
お友達がペロッとなめたおもちゃをペタペタと触って、次にその手を自分の口に持っていく、目の前で鼻を垂らしたお友達がクシャっとくしゃみをする、、、子ども達はいろいろな場面で簡単に様々な細菌やウイルスを交換し合っています。。
(もらっている反面、あげてしまっていることも多いと思います。)
生後数週間で既におのどの奥の上咽頭という部分は様々な細菌をまといますが、その細菌の型や種類が、その後集団保育施設に通うことで、極めて短期間にコロコロと変わることが知られています。
例えば、こどもが病気となって治療を受けた後の経過について、集団保育に通われている場合と、保育園をお休みしていた場合を分けて、大まかに確認してみましょう。
こどもがある時、鼻炎や咽頭炎・中耳炎を生じて、ある1つの細菌がおはなとおのどで繁殖し、炎症を生じ、痛み・発熱を起こしたとします。診療所に行って、診察を受けて治療となりました。
治療のために、症状が強い場合では、細菌を攻撃し症状を改善させる抗生剤や炎症を抑えるお薬などをお飲みになられると思います。治療により病原菌は弱まり、有る程度問題のない程度まで回復することが出来ました。
一段落です。良かったですね。。。
さて、この後、保育園にすぐに行かれた場合と、しばらくおうちで様子を見て頂いた場合、どのような違いが起こりますでしょうか?
あくまでも典型的なお話として申し上げますが、、、
1.すぐに保育園に行かれた場合。
保育園で新しい別の細菌に接触しました。一見治ったように見えても、おのどの粘膜はまだまだ傷だらけでした。傷があるがために防御が出来ず、細菌が簡単に体に侵入して悪さをする素地がしっかり出来ていました。病原菌は喜んで、病み上がりの体に入り込み、容易に再び炎症を生じさせ、また、すぐに同じような症状が再発、悪化してしまいました。診療所での治療はまた1からやり直しとなりました。。
2.自宅で安静にしていた場合。
粘膜の炎症はしばらくして改善していきました。悪い細菌も再度繁殖することが無く、症状が全体的に落ち着いて、お薬を終えることができました。治療も完全に終了です。保育園で新しい病原菌に接触しても跳ね返す事ができました。
如何でしょうか?
このように保育施設の利用は、病状を再発させ、症状を遷延させることの原因の一つになっていることが多く、可能であればある程度しっかり症状が治るまで、おうちでお休みしていることが可能であれば、その方が望ましいのです。
(状況により病後児保育施設の活用もお考え頂くこととなります。)
そう言えば、確かにお正月や夏休み、しばらく家にいる時には調子が良いわ、、という感じがしませんでしょうか??
上記のような感染の繰り返しは個人や施設のレベルではなく保育育児全般に対しての社会的な問題となっている側面もあるのですが、保育施設を利用することが欠かせない皆様の家族生活の一部となっている現状を考えますと、次善策としては保育園に通園を続けながら、症状が悪化しないように上手にコントロールしていく様に心がけるということになるのかもしれません。
様々なご家庭のご事情も有りますので、各々の状態に併せて最善の治療を模索していくことになります。
(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)