人工内耳

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人工内耳


 人工内耳は内耳に電極を挿入し、これを利用して聴神経を直接電気刺激することによって言葉を聞き取れるようにする装置です。
 補聴器で対応困難な高度難聴者や補聴器装用での聞き取りに困難を伴う場合には残聴を認めても手術の対象となります。

 欧米では手術症例の3分の1以上が小児症例ですが、日本では1992年から小児症例に手術が始まっています。

 小児人工内耳手術のポイントは手術時の年齢で、先天性失聴者や言語習得前失聴者に
学齢期前に手術を施行しておくことによって言語理解が行える様になると期待されています。

 小児に対する人工内耳においては、特に内耳形態の問題と適応について、また、術後のリハビリテーションの問題、家庭や学校教育の問題などを考慮する必要があります。

 2014年に手術適応基準が見直されました。これまでの一定の効果を踏まえ、適応年齢を原則1歳以上(体重8kg以上)と拡大し、補聴器装用下の聴力レベルと最高語音明瞭度についても新たに規定されました。


検査

補聴器装用での観察

 人工内耳手術の適応基準に補聴器の装用効果が少ないという項目があり、補聴器の有効性がどのくらいあるかが重要となります。母音や子音の弁別検査や言語理解能力・文書復唱能力などを補聴器装用下に検査して効果を確認したり、発達言語能力検査を行って、適切な発達をしており、難聴が原因で発育が遅れていないかの確認を行います。

プロモントリーテスト

 感音性難聴の原因が内耳に由来しており、上位の聴神経や中枢に問題が無いこと確かめる検査です。
 細い針電極を蝸牛骨壁(プロモントリー)上に当てて電気刺激で音感が生じるかどうか確認します。
どの程度のの電流量で聞こえ、どの程度で痛みとなるか確認したり、ギャップを入れて聞き取れるかどうか調べます。 
 定性的検査と考えられ、5歳未満で行うことは困難です。

蝸牛の画像検査

 蝸牛・内耳道を中心に側頭骨のCT及びMRIを行い、蝸牛の形態や骨化の有無を確認します。

言語発達能力検査

 難聴によって発達にどの程度影響出ているかを把握します。様々な検査で発達を調べます。

その他、全身の一般検査

血液検査・心電図肺機能等を行います。


年齢

 適応年齢が2014年の人工内耳手術基準の改定により、原則1歳以上(体重8kg以上)とされ、裸耳での平均聴力レベルが90デシベル以上、または6ヶ月以上の最適な補聴器装用下の平均聴力レベルが45dBより改善しない場合、または最高峰明瞭度について同じく50%未満の場合、のいずれかに該当する場合とされました。

 欧米では生後
6ヶ月ぐらいで人工内耳手術を行い、低年齢で手術を行い言語理解力が良好であるとの報告がなされており、中枢聴覚野の発達可塑性の面や教育的側面からも就学期までに手術を行うことが望ましいとされています。

 就学期以降の人工内耳手術についても、言語理解能力を良好にするために早めの手術が望ましく、言語習得期以降の失聴例についても獲得した言語能力を保持するため早期に人工内耳を検討することが望まれています。

適応基準

 中耳炎などの感染症が活動期であれば手術適応外となります。

 例外的に髄膜炎後の蝸牛骨化の進行が想定される場合や、高度難聴を生じると予想される難聴遺伝子変異があり、ABRおよびBOAにて音に反応が認められ無い場合、子音獲得に困難が予想される聴力低下を認める場合等が挙げられています。

 慎重な適応基準が必要なものに、画像診断上蝸牛に人工内耳を挿入できる部位が確認できない場合や反復性の急性中耳炎が存在する場合また制御不能な髄液噴出が見込まれる場合など、高度な内耳奇形を伴う場合や重複障害、中枢性聴覚障害が認められる場合等が挙げられます。

術後のリハビリテーションについて

 人工内耳手術を行っても直ぐに言葉が理解できるわけではなく、補聴器をつけた場合と同じようにトレーニングが必要となります。
人工内耳装用児の場合、専門の聴覚言語治療士の指導のもと、人工内耳からの音と読唇の両方から学習していく必要があります。


おみみの検査の方法

  1. 目で見てかくにん

     鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。
  2. 大きくしてかくにん

     鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。
  3. こまくの動きをかくにん

     お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。)
  4. 聞こえ方のかくにん

     通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。       聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)