神経線維腫症2型

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神経線維腫症2型(NF2)

 常染色体優性遺伝の疾患で、両側性に発生する聴神経鞘腫を主徴としてその他の多発性神経系腫瘍(脳および脊髄神経鞘腫、髄膜腫、脊髄上衣腫)や皮膚病変(皮下や比内の神経鞘腫、カフェオレ斑)、眼病変(若年性白内障)を認めます。


 出生25000~60000人に1人の割合で発生するとされ、発症年齢は10歳以下から40歳以上と様々で、10-20歳代に多く発症します。

 
関連遺伝子は22番染色体長腕に位置しており、この遺伝子の作り出すmerlinという蛋白質が異常となるために発症するとされています。

 臨床的に2つの型があり重症のWishart typeは若年で発症して多発性に神経鞘腫を認め、腫瘍の成長も比較的早い傾向があります。軽症のGardner typeは、25
歳以降に発症して腫瘍数も少ない特徴があり、腫瘍の発育も緩やかです。

 各種の中枢神経腫瘍が生じますが、最も多い物が神経鞘腫であり、聴神経鞘腫がほぼ全例に認められ、脊髄神経鞘腫、三叉神経鞘腫もしばしば伴います。また、髄膜腫は約半数に認められます。

 聴神経鞘腫の発生に伴い、小児期からの耳鳴り・難聴・めまいを訴える場合があります。ABRやカロリックテストを行い、聴力や前庭機能障害の程度を把握します。

 診断としてはMRIまたはCTにて両側に聴神経鞘腫(前庭神経鞘腫)を認めるか、NF2の家族歴に加えて1側に聴神経鞘腫(前庭神経鞘腫)を認める場合、またはNF2の家族歴に加えて神経鞘腫、髄膜腫、神経膠腫、若年性白内障のうちいずれか2種類を認める場合にNF2と確定診断します。

 治療では基本的に手術で腫瘍摘出が行われます。大部分が良性腫瘍であることから、一般的には腫瘍の成長が明らかなときや腫瘍による症状が出現したときに手術が行われます。
 聴神経鞘腫については左右の腫瘍の大きさと残存聴力の状態に応じて治療方針が決定されます。腫瘍が小さい場合には経過観察も行われますが、腫瘍が小さいときに摘出すれば術後顔面神経麻痺の可能性は低く、大きな腫瘍となれば聴力温存は困難となり、術後顔面神経等の神経障害を合併する可能性が高まります。また、小さな腫瘍にはガンマーナイフなどの放射線手術も有効とされます。

 最近では投薬治療として抗VEGFヒト化モノクロナール抗体の有効性が報告され腫瘍の縮小効果と聴力改善効果が認められ、期待されています。また、手術にて聴力障害が生じた場合、蝸牛神経が残っている場合には人工内耳の有効性が報告されており、蝸牛神経が残っていない場合でも聴性脳幹インプラントの有効性が報告されています。

おみみの検査の方法

  1. 目で見てかくにん

     鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。
  2. 大きくしてかくにん

     鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。
  3. こまくの動きをかくにん

     お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。)
  4. 聞こえ方のかくにん

     通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります
  5. その他のかくにん方法

     各種の神経学的検査に加えて必要に応じて画像診断を行い、脳波検査等を追加します。場合によっては遺伝性疾患や代謝性疾患を疑い、血液検査を行います。
(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)