新生児嚥下障害

小児の嚥下障害口腔反射と吸啜新生児嚥下障害幼児期以後障害食道異物

新生児期の嚥下障害

 新生児期の嚥下障害は脳性麻痺に合併するものが最多で、一過性嚥下障害も認められ、また、食道閉鎖・喉頭軟弱症などの先天性奇形や異常でも生じます。

 新生児嚥下障害を静的障害と動的障害に分けることがあり、静的障害には喉頭軟弱症、食道閉鎖、気管食道瘻などが、動的障害には脳性麻痺や新生児一過性嚥下障害、進行性の神経筋疾患等が含まれます。

 脳性麻痺による嚥下障害は中枢神経系障害により運動発達遅滞と発達異常が生じ、様々な症状を呈します。有効な治療法はなく、加齢とともに症状が複雑になり、嚥下障害が増悪して肺炎を生じることも多くなります。機能訓練を行いますが、気管切開での管理に困難を伴うことも多く、重症例では気管食道分離術を行う場合もあります。
 口唇・舌の原始反射が残存していることが多く、口腔・嚥下の発達障害から嚥下困難となる場合にはリハビリテーションにて口腔周辺の過敏性を取りつつ機能訓練を行います。





 奇形や神経学的異常を認めずに生後一過性に嘔吐や誤嚥を生じるものを乳幼児一過性嚥下障害といい、数日から数ヶ月程度で軽快します。嚥下運動の未熟さや関連筋の低緊張が原因と考えられており、誤嚥が強い場合には経管栄養を行い経過観察します。

 喉頭軟弱症では必要に応じ経管栄養と呼吸管理を行い、多くは経過観察で軽快します。

えんげのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     口腔・咽頭・喉頭粘膜の状態を直接診察したり間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。発赤腫脹や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。また、少量ずつお水を飲んで頂いて誤嚥の有無を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     咽頭・喉頭・頸部全域を含め、腫脹があるのか、リンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     お鼻から管を入れて、咽頭・喉頭の各部位の状態とその動き、協調運動が問題なく行われているのか、誤嚥が無いか、梨状窩に残存は無いか等を確認することがあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して頸部全域の性状を確認する場合があります。病変の有無やと病変と他の組織の境界面や病変内部の信号の違い、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     嚥下造影検査を行う場合があり、嚥下時の口腔から食道・胃までの造影剤の移動を観察し、嚥下開始のタイミングや誤嚥の有無、その機序や程度を動画として保存して確認することがあります。また、CT や MRI にて頸部から胸部の変化を確認し問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、リンパ節等を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。また、嚥下に関与する筋の筋電図を調べることもあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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