声帯麻痺

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声帯麻痺

 声帯にて神経障害から運動障害を認める場合を声帯麻痺と言います。
 小児の声帯麻痺は成人と比較して、一般的に予後が良好で、特発性麻痺の場合には数年後に自然治癒する場合も認められます。

 皮質運動野から内喉頭筋までの神経経路のどちらでも、病変が生じれば声帯麻痺となるため、原因としては心血管手術によるものや、挿管に伴い生じたもの、先天性心血管奇形に伴うもの、特発性のものなど、様々です。

 喉頭は迷走神経の分枝となる上喉頭神経と下喉頭神経により支配されており、声帯外転・内転運動は下喉頭神経(反回神経)を介してなされています。左反回神経は大動脈弓を迂回して上行、右反回神経は鎖骨下動脈を迂回し上行しており、走行経路にある肺、食道、心臓、甲状腺などの疾患や手術時の損傷により反回神経麻痺が生じ声帯が固定することとなります。

 症状としては、一側性の場合には発声時に両側声帯が正中で接着しないために、呼気がもれて気息性嗄声を生じます。麻痺が中間位より外側で声帯固定される場合には誤嚥の原因にもなります。小児では片側麻痺でも喘鳴を生じることがあり、嚥下障害を認めることが多いという特徴があります。両側麻痺の場合、声帯が正中位で固定し、声門が開かなくなると呼吸困難を生じます。

 診察では喉頭ファイバースコープで確認して、声帯の運動不全を確認します。原因疾患の確認のために必要に応じて各種画像検査やウイルス抗体価検査等を行います。
 治療法の選択や予後診断のために筋電図検査や発声機能検査が行われますが、小児では筋電図検査の実施が難しく、この為に例えば両側声帯麻痺と後部声門癒着の区別が難しい場合等が生じます。

 治療として明らかに神経が切断されていない場合では、自然治癒することもあるために、誤嚥が著しくない場合にはまずは経過観察を行います。
 一側性麻痺の場合には嗄声が主症状であるため、特殊な場合に音声機能改善手術を行います。
改善手術として声帯正中位固定させるためシリコンやアテロコラーゲン・自家脂肪などを声帯に注入したり、シリコンブロックで声帯を正中に圧排したり、披裂軟骨の内転術を行うことが考慮されます。しかしながら実際に小児に行われることは非常に稀です。
 両側麻痺の場合には出来る限り気管挿管で対応となりますが、挿管不能例や長期挿管の場合は気管切開を考慮し、喉頭内視鏡下にレーザーによる声帯後部蒸散や、披裂軟骨外転術、Ejnell法が考慮されます。

こうとうのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     喉頭粘膜の状態を間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。前傾姿勢でお口を開けて頂き、お口に入れた鏡で喉頭蓋、披裂部、披裂喉頭蓋ヒダ、声帯、仮声帯等に異常がないか、発赤や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     喉頭を含め、頸部全域に腫脹があるのか、喉頭周囲・頸部のリンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     詳細を確認する必要がある場合には、お鼻から管を入れて、喉頭の各部位の状態とその動きを確認することがあります。その他にも手術の時には喉頭直達鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて顕微鏡下に観察する事もあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して喉頭周囲を含め頸部全域の腫脹の性状を確認する場合があります。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     喉頭のデジタル撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった首を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、おくびのリンパ節自体を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. 音声機能のかくにん
     発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認致します。

  8. 声帯粘膜の振動をかくにん
     声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。

  9. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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