鼻腔腫瘍
小児鼻腔疾患において腫瘍性病変の占める割合は多くありません。
良性腫瘍としては乳頭腫、腺腫、血管腫、軟骨腫、奇形種などがあり、ほとんどが一側性です。
症状としては鼻閉・鼻漏が主体で、病変の大きさにより鼻症状は様々となります。
鼻咽腔血管線維腫は思春期の男子に発生することが多く、腫瘍の大きさや進展状況により鼻閉・口呼吸・鼻出血などの鼻症状を認めますが、上咽頭を占拠すれば滲出性中耳炎を生じます。また、副鼻腔へ進展すると眼球突出等の症状も生じることがあります。
悪性腫瘍も初期は良性腫瘍または炎症性疾患とほぼ同じ症状であるため、腫瘍が進展してから見つかることがあります。
小児の場合は横紋筋肉腫や悪性リンパ腫を多く認めます。
診察では鼻鏡検査により腫瘍性病変の存在を確認しますがが、小児の場合は鼻腔ファイバーによる観察が必要となります。画像診断を行い、腫瘍の進展範囲や栄養血管を確認して、必要に応じ栄養血管の塞栓術を行います。確定診断には生検が必要となります。
治療として、良性腫瘍では外科的摘出が第1選択で血管線維腫の場合にはホルモン療法や放射線療法を行うことがあります。
悪性腫瘍の場合は化学療放射線療法及び手術治療を併用し、小児科医・放射線科医・内科医・精神科医とともに集学的治療を行います。
おはなのけんさ方法
-
目で見てかくにん
お鼻の粘膜の状態や、鼻水の性状・鼻腔のつまり具合、鼻中隔の状態等、様々な部位の状況を確認致します。 -
内視鏡でかくにん
お鼻の中は奥まで広く、非常に立体的で複雑に入り組んでいますので、外からだけでは分からない部分もあります。お鼻の中に内視鏡を入れて、お鼻の中の様々な部位を確認致します。 -
細胞や細菌の状況をかくにん
鼻水そのものや、腫れている部分の細胞や組織を取って、どのような細菌が感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
刺激してかくにん
匂いの物質を嗅いでみて、匂いを正確に感じることが出来るのか確認します。また、アレルギーの原因物質を使用して刺激を行い、反応が誘発されるのかを確認致します。 -
その他のかくにん方法
必要に応じてCTやMRIといった画像検査を行い、アレルギー性疾患が疑われる場合には採血して検査を行うことがあります。