麻疹
麻疹ウイルスによる急性発疹性疾患で約10日間の潜伏期の後、風邪症状で発症します。2、3日後に解熱して下顎臼歯付近の口腔粘膜に小さな白斑を多数生じて再度発熱となります。
白斑は Koplik斑といい、1,2日で消失しますが、高熱・下痢・嘔吐などを伴います。
また耳後部から顔面、頭頸部から体幹、四肢の順で皮疹が広がって、約1週間で消退します。
時に中耳炎・肺炎・脳炎を併発することがあります。
診断はカタル期の咽頭ぬぐい液での粘膜細胞内ウイルス抗体を蛍光抗体法にて検出して確定します。血清抗体価やウイルスの分離には時間がかかり、現実的には診察上必ずしも有用ではありません。蛍光抗体法検査は診療所では不可能ですので、流行の傾向や口腔所見、皮疹で判断することとなります。
口腔内病変についてはその他風疹、川崎病、猩紅熱などでイチゴ状舌や粘膜炎を生じ、薬剤性アレルギーにてアフタ等を認めることもあり、梅毒や結核による口内炎も稀に認めます。
おくちのけんさ方法
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目で見てかくにん
おくちの各部位の粘膜の状態を確認します。頬の内側や、舌の表面の性状、舌の裏側、歯肉、口蓋等に異常がないか、発赤や潰瘍、腫瘍等が出来ていないか、、確認致します。 -
触ってかくにん
口腔粘膜の状態、発赤腫脹や白苔の付着、腫脹の緊満度や出血しやすいのか、触ると膿が出てくるのか等を確認致します。 -
細胞や組織の状況をかくにん
口腔粘膜表面の粘液や腫れている部分の組織を取って、どのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
刺激してかくにん
唾液の分泌が正常範囲内なのか、味覚を正確に感じることが出来るのか等を確認します。 -
その他のかくにん方法
必要に応じてCTやMRIといった画像検査を行うことがあります。また、アレルギー性疾患が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染が疑われる場合にも採血して血清中の抗体価を確認することがあります。