鼻副鼻腔腫瘍
小児の鼻副鼻腔腫瘍は悪性の場合は極めて稀であることと、最初の症状が鼻閉・鼻出血など一般的な症状であるために発見が遅れることがあります。
良性腫瘍ではゆっくりと発育するものが多く、無症状であれば経過観察することもありますが、次第に増大傾向を認める場合は外科的摘出を行います。
具体的には先天性の腫瘍としては神経膠腫、神経線維腫、皮様嚢胞、血管腫などがあり、後天性腫瘍として骨腫・骨形成性線維腫・線維性骨異形成症、軟骨腫、血管腫、乳頭腫、鼻咽腔血管線維腫が挙げられます。
乳頭腫の場合、悪性細胞の混在や再発の可能性があり、基部を含めた摘出が必要とされます。血管線維腫は、10歳代の男性に多く頻回な鼻出血・鼻閉などの他、多彩な臨床症状を腫瘍増大に伴い認めるため、手術治療が主に行われています。
小児悪性腫瘍
小児の頭頸部に発生する悪性腫瘍は小児悪性腫瘍の約4%、頭頸部悪性腫瘍全体のうち約1%と報告されています。その中で鼻副鼻腔の悪性腫瘍の頻度はおよそ10~20%等されています。
小児ではがんより肉腫の割合が高く、そのうち横紋筋肉腫が最多で、悪性リンパ腫がそれに次ぎます。
悪性腫瘍の場合は手術よりも化学療法が多く行われます。超大量化学療法により著明な治癒率の改善が認められていますが、治療開始時には精神面でのケアも必要とされます。これは各々、手術治療を行う場合に顔面変形、放射線治療では歯牙発育障害、大量化学療法では性腺機能障害などが生じることがあるためです。
横紋筋肉腫
眼窩・中耳・鼻副鼻腔などの頭頸部領域が約半数を占め、胎児型・蜂巣型・多形型に分けられます。
頭頸部では胎児型が最多で、5歳以下が大半で男性にやや多く、形態及び機能障害が少ないと予想される場合は手術療法が勧められます。
放射線治療と化学療法の併用療法や多剤併用療法にて著明な効果が得られています。
悪性リンパ腫
好発年齢は様々でやや男児に多く、上咽頭に最も多く発生し、歯肉・口蓋扁桃・鼻腔等に見られます。
最初の症状として一側性の滲出性中耳炎からの耳閉感や鼻閉・鼻出血がありますが、小児ではアデノイド肥大が併存していることや鼻副鼻腔の観察の困難さから発見が遅れることが多く、頚部リンパ節腫脹が認められて初めて見つけらされることも多いです。
治療として病気をstage分けし加療します。stage1、2では、化学療法にて約90%に治癒が期待できますが、放射線治療では成長障害や晩発性発癌の可能性があり、適応が限られます。早期に全身播種している場合も認められるために、多剤併用療法を行い、必要に応じ中枢神経への進展に対しMTXの大量療法や髄腔内投与が行われます。
おはなのけんさ方法
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目で見てかくにん
お鼻の粘膜の状態や、鼻水の性状・鼻腔のつまり具合、鼻中隔の状態等、様々な部位の状況を確認致します。 -
内視鏡でかくにん
お鼻の中は奥まで広く、非常に立体的で複雑に入り組んでいますので、外からだけでは分からない部分もあります。お鼻の中に内視鏡を入れて、お鼻の中の様々な部位を確認致します。 -
細胞や細菌の状況をかくにん
鼻水そのものや、腫れている部分の細胞や組織を取って、どのような細菌が感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
刺激してかくにん
匂いの物質を嗅いでみて、匂いを正確に感じることが出来るのか確認します。また、アレルギーの原因物質を使用して刺激を行い、反応が誘発されるのかを確認致します。 -
その他のかくにん方法
必要に応じてCTやMRIといった画像検査を行い、アレルギー性疾患が疑われる場合には採血して検査を行うことがあります。