遺伝子変異に関するもの

小児のめまい内耳炎メニエール病前庭神経炎小児良性発作性めまい先天性内耳奇形 遺伝子変異関連てんかん薬物中毒脳腫瘍 神経線維腫症2急性小脳失調片頭痛心因性めまい起立性調節障害乗り物酔い

アミノ配糖体による内耳障害と遺伝子変異

 ストレプトマイシン等のアミノ配糖体薬剤の投与により内耳障害をきたす家系が見つかり、ミトコンドリア遺伝子の1555番目の遺伝子変異によるものであることが確認されました。

 小児で特定の薬剤の使用にて、めまい症状を認めた場合には、必要により、家族歴を確認し、遺伝子検索を行う場合があります。

非症候性遺伝性難聴でめまいを伴う遺伝子変異
 
 SLC26A4遺伝子変異の場合、前庭水管拡大を伴い、難聴は変動し進行性でその7割に回転性めまいを伴うと報告されています。急性めまいが難聴の急性増悪時に併せて発症することが多く、治療が必要となります。

 その他COCH遺伝子変異では高音部の感音難聴にめまいを伴うとされます。
 非症候性遺伝性難聴で高頻度に認められるGJB2遺伝子変異ではめまいを伴うことは比較的少ないとされます





おみみの検査の方法

  1. 目で見てかくにん

     鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。
  2. 大きくしてかくにん

     鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。
  3. こまくの動きをかくにん

     お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。)
  4. 聞こえ方のかくにん

     通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります
  5. その他のかくにん方法

     各種の神経学的検査に加えて必要に応じて画像診断を行い、脳波検査等を追加します。場合によっては遺伝性疾患や代謝性疾患を疑い、血液検査を行います。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)