おみみの奇形
おみみの奇形として、耳介、外耳道、中耳、内耳と分けて考えます。遺伝性の場合が有りますが、多くは原因が不明です。
耳介奇形の場合、小耳症や無耳症のような高度の奇形から軽度の奇形まで多岐にわたります。軽度で部分的な形態異常では自然治癒する例もみられますが、その程度により手術を行います。手術法は様々ですが、通常は肋軟骨を用いて再建し、8~10歳頃まで待って行われることが多いです。
外耳道の奇形としては閉塞や狭がありますですが、こちらをご参照下さい。
外耳道閉鎖や狭窄の場合、耳介の形成異常を伴って耳小骨欠損を伴う場合もありますが、一般に内耳は保たれます。
中耳奇形においても、外耳道の奇形を伴う場合と伴わ無い場合があります。病変としては耳小骨の欠損・固着がほとんどで、 医療機器の進歩や検診による聴力検査等によって早期に発見される傾向にあります。CT画像等にて精査の後、具体的には奇形の病態に合わせて手術が行われ、聴力の改善が期待できます。耳介や内耳の奇形を伴う頻度も高く、十分な検査が必要となります。
内耳奇形については高度難聴の原因となり、形態からMondini型奇形やScheibe型奇形等の四つに分けられていましたが、内耳が袋状の空洞用形態を示すものが多く、前庭水管拡張症を伴い、進行する感音難聴を生じる場合もあります。アブミ骨底の先天性瘻孔を認めることもあり、前庭症状も約3割に認められます。
おみみの検査の方法
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目で見てかくにん
鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。 -
大きくしてかくにん
鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。 -
こまくの動きをかくにん
お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。) -
聞こえ方のかくにん
通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。 聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります。