気道狭窄
小児気管狭窄症は気道に狭窄や閉塞症状を生じ呼吸困難をきたして外科治療の対象となることがあります。小児ではほとんどが先天性の狭窄で、外傷や後天性のものは比較的稀です。
先天性気管狭窄症が気管軟骨の形成異常により生じ、膜様部が存在せずに軟骨が全周を取り囲みます。気管支の分岐異常を合併したり肺動脈による血管輪症を合併することもあります。
後天性気管狭窄症は胸部外傷や気管内挿管チューブや気管切開チューブによる損傷・気道熱傷などで生じ、気管のどの部位にも発症する可能性があります。
先天性気管狭窄症では生後12ヶ月頃から喘鳴やチアノーゼ発作などを生じ、感染を契機に呼吸困難を生じる可能性があります。後天性狭窄症では気管チューブがが抜去できなくなる抜去困難症となることがあります。
胸部単純 X 線撮影・ CT ・MRI にて診断され、硬性気管支鏡にて狭窄起始部を確認して、末梢気管支の状態を確認します。気管支造影は閉塞症状を生じることがあるため禁忌とされることがあります。
治療として狭窄の程度が軽い場合、気管支拡張薬や抗菌剤の投与にて経過観察されます。外科的治療として狭窄が気管全長の3分の1以下であれば狭窄部を切除して端々吻合したり、3分の1以上であれば自家軟骨や骨膜心膜により気管形成術を行います。狭窄部をバルーンにて拡張したりステントを留置する方法も報告されています。
保存的治療では感染時に気道粘膜が腫脹して窒息を生じることがあるため、感染が疑われた場合には早期から抗菌剤や抗炎症薬の投与を行いつつ気管内挿管を行い、外科手術を行います。
きかんのけんさ方法
-
くだを入れてかくにん
お口やお鼻、気管切開口から管を入れて、気管の各部位の状態を確認することがあります。その他にも手術の時には硬性気管支鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて観察する事もあります。 -
画像でかくにん
気管・気管支のX線撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった体を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。 -
細胞や組織の状況をかくにん
必要に応じて生検鉗子を利用して細胞を取って、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
その他のかくにん方法
アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。