慢性喉頭炎
喉頭粘膜に認められる慢性的炎症で、多くは大気汚染や声帯酷使などが原因となります。
単純慢性喉頭炎、慢性肥厚性喉頭炎、慢性萎縮性喉頭炎、声帯ポリープなど声帯に局所的重量負荷を伴うもの、声帯ポリポイドなどで声帯全体の重量の増加を認めるもの、その他の慢性炎症、に分けられます。
原因としては、汚染された空気や塵埃、有毒ガスの曝露、音声の酷使等が挙げられます。小児ではアデノイドが口呼吸を生じさせ生じることがあります。
炎症が軽度の場合は喉頭異物感等を感じるのみですが、アレルギーの関与がある場合には痒みや咳などを伴います。声帯が炎症の中心となる場合は嗄声が出現して声域が狭まります。
診察では間接喉頭鏡や軟性ファイバースコープなどを使用し喉頭の状態を確認し、ストロボスコープを使用して声帯振動を観察します。
治療では環境調整を行い、間接喫煙などの増悪要因を避けます。音声は酷使しないように指導し、発声指導を行います。また、うがいや吸入を励行します。
こうとうのけんさ方法
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目で見てかくにん
喉頭粘膜の状態を間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。前傾姿勢でお口を開けて頂き、お口に入れた鏡で喉頭蓋、披裂部、披裂喉頭蓋ヒダ、声帯、仮声帯等に異常がないか、発赤や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。 -
触ってかくにん
喉頭を含め、頸部全域に腫脹があるのか、喉頭周囲・頸部のリンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。 -
くだを入れてかくにん
詳細を確認する必要がある場合には、お鼻から管を入れて、喉頭の各部位の状態とその動きを確認することがあります。その他にも手術の時には喉頭直達鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて顕微鏡下に観察する事もあります。 -
超音波でかくにん
超音波の検査機械を使用して喉頭周囲を含め頸部全域の腫脹の性状を確認する場合があります。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。 -
画像でかくにん
喉頭のデジタル撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった首を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。 -
細胞や組織の状況をかくにん
必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、おくびのリンパ節自体を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
音声機能のかくにん
発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認致します。 -
声帯粘膜の振動をかくにん
声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。 -
その他のかくにん方法
アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。