咽後膿瘍
3歳未満の乳幼児に特に発生する咽頭後壁の咽頭収縮筋と頚椎との間に生じた膿瘍で、リンパ組織の感染から膿瘍を主に片側に生じます。
症状として発熱、嚥下時痛による摂食不良、喘鳴等の呼吸障害があり、進行すると側頸部腫脹を認め、血液検査や頸部側面のX線撮影、頸部CT等を行い検査します。
乳児では咽頭の観察のみでは口蓋垂が低く評価が困難なことがあります。
治療としては、全身麻酔下に懸垂頭位を取り手術を行います。咽頭後壁を縦に大きく切開し排膿し、併せて補液と強力な抗生剤の投与を行います。
おのどのけんさ方法
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目で見てかくにん
おのどの各部位の粘膜の状態を確認します。扁桃表面の性状や咽頭後壁の状態を確認し、発赤や潰瘍、腫瘍等が出来ていないか、確認致します。 -
触ってかくにん
扁桃の膿栓や白苔の付着や出血しやすいのか、膿が出てくるのか等を確認致します。 -
細胞や組織の状況をかくにん
咽頭壁や扁桃そのものや腫れている部分の組織を取って、どのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
刺激してかくにん
扁桃をマッサージして刺激したり舌・咽頭粘膜の異常部分を刺激してその後の変化等を確認します。 -
その他のかくにん方法
必要に応じてCTやMRIといった画像検査を行うことがあります。また、アレルギー性疾患が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染が疑われる場合にも採血して血清中の抗体価を確認することがあります。