ウイルス性難聴
難聴を起こす可能性のあるウイルスとしてムンプスウイルス・水痘帯状疱疹ウイルス・麻疹ウイルス・風疹ウイルス・サイトメガロウイルス等が有名ですが、他にもEBウイルス・インフルエンザウイルス・アデノウイルス等様々なウイルスが聴力低下の原因となります。
ムンプス難聴
ムンプス感染患者約20000人に1人の割合で発症するとされており、10歳以下の小児に発症する事が多いです。一側の高度難聴を認めて、約半数の症例でめまいを伴い、多くは聴力予後不良です。
水痘・帯状疱疹ウイルスによる難聴
軽度のものから高度のものまで様々です。軽度の場合は回復する傾向にありますが、高度の場合には予後が悪い場合が多いです
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麻疹ウイルスによる難聴
麻疹患者の0.1%以下で、多くは小児期に両側罹患します。
風疹ウイルスによる難聴
妊娠3ヶ月以内に母親が風疹に罹患した場合、出生時に難聴・心疾患・視覚障害・精神発達遅滞を伴う先天性風疹症候群が生じることがあります。妊娠6~9ヶ月に風疹に感染した場合には、出生児の10~20%近くに難聴が生じることがあると報告されています。
通常感音性難聴は両側性であり、その程度は高度となります。
決定的治療法が無いために風疹ワクチンによる予防が勧められています。
サイトメガロウイルスによる難聴
胎生期感染がやはり問題となります。出生児の1~2%にみられますが、その中の1~2%に内耳、脳、眼、肝臓、脾臓等に異常が認められ、先天性サイトメガロ症といわれています。
難聴は両側性で高度のことが多く、10歳まで進行することがあると報告されています。
成長とともに軽度から中等度の難聴が両側性に生じることを10%程度に認めると報告するもあります。
おみみの検査の方法
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目で見てかくにん
鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。 -
大きくしてかくにん
鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。 -
こまくの動きをかくにん
お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。) -
聞こえ方のかくにん
通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。 聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります。