口蓋裂その他器質性構音障害
構音器官に形態異常があるために構音障害が生じる場合を器質性構音障害といい、口蓋裂や先天奇形が挙げられます。
口蓋裂には様々な程度があり、完全・不完全、唇裂・口蓋裂を伴うかや一側か両側かなどを確認して治療を行います。粘膜下口蓋裂では発見が遅れることがあり触診が必要です。
異常の種類により障害の程度は様々で、口蓋裂による構音障害は鼻咽腔閉鎖不全による鼻腔共鳴異常と代償の為の異常構音操作による音のひずみが特徴的で、異常構音操作として声門破裂音、咽頭摩擦音、咽頭破裂音などが認められます。
治療は形態を補ったり、形成手術・言語訓練を行います。口蓋裂の手術では鼻腔口腔隔壁の形成手術と鼻咽腔閉鎖機能の形成手術が2期的に行われます。
手術後も異常構音は習慣として残ることが多いために言語聴覚士とともに構音訓練を行う必要があります。
その他、 Pierre-Robin 症候群、 Treacher Collins 症候群、Tuener症候群、 Mebius症候群、 Klippel-Feil症候群、 Down症候群などの先天奇形において構音障害や言語発達遅滞を生じ、手術療法や言語療法が必要となります。
ことばのけんさ方法
-
おみみ・おはなのかくにん
おみみ・おはなに問題がないかを確認致します。 -
おのどのかくにん
おくち、おのど、こうとうに問題がないかを確認致します。 -
きこえのかくにん
きこえに問題がないかを確認致します。 -
はついくをかくにん
発語面、言語理解面、社会性面、運動面等について各種の発達スケールを使用して発育の確認を行い、年齢相応かどうか比較します。 -
音声機能をかくにん
発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認したり、声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。 -
言語機能をかくにん
課題検査を行い音読、模倣、書字、自由発語が可能かを確認して、音の性質を確認致します。音程・つよさ・リズム・流暢性といった韻律や、単音・単語・会話の構音状態についても確認致します。
障害音を認める場合には母音か子音か、開鼻声等の共鳴障害の有無や、語音省略・置換・ゆがみについて確認し、ことばの速度と感覚的理解力について確認を行います。 -
その他のかくにん方法
神経学的諸検査や、発達心理学的検査、内分泌機能検査や環境因子の検査が必要に応じて行われます。また、X線、CT、MRI等の画像検査や、アレルギー検査、ウィルス感染についての確認を行うことがあります。