心因性発声障害
心因性発声障害も機能的音声障害の一つです。
精神神経症的なもので、叱責や驚愕等精神的外傷や心理的葛藤のあとに生じる発声障害のことで、症状により痙攣性発声障害、心因性失声症、心因性仮声帯発声に分けられます。
痙攣性発声障害は発声時に発声筋などに異常緊張が起こり声門が痙攣的に閉鎖されて圧迫された努力性の声・途切れた語音となるもので、性別差や年齢差はなく、成人では音声を日常的に使用する電話交換手や教師などに多い特徴があります。治療は困難なことが多く、心理療法に抵抗する場合があり、発音練習が有効なことがあります。声帯筋内へのボツリヌストキシン注入を行うことがあります。
心因性失声症はヒステリー性失声症と言われていたもので、ささやき声しか出せない状態で、20~40歳の女性に多く認めます。治療として精神分析や暗示療法等の精神医学的治療と発声障害に対しての音声学的治療を行います。鎮静剤を投与することがあります。
心因性仮声帯発声では発声時に仮声帯が強く内転して声帯振動を妨げることによって気息性の嗄声が生じます。治療としては心理療法・発声訓練を行います。
その他、機械的侵襲がないにもかかわらず、発声機能が抑制または消失した状態を音声衰弱症といい、原因として声の乱用・間違った発声方法・神経症などが挙げられています。沈黙療法・音声指導・心理療法を行います。
ことばのけんさ方法
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おみみ・おはなのかくにん
おみみ・おはなに問題がないかを確認致します。 -
おのどのかくにん
おくち、おのど、こうとうに問題がないかを確認致します。 -
きこえのかくにん
きこえに問題がないかを確認致します。 -
はついくをかくにん
発語面、言語理解面、社会性面、運動面等について各種の発達スケールを使用して発育の確認を行い、年齢相応かどうか比較します。 -
音声機能をかくにん
発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認したり、声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。 -
言語機能をかくにん
課題検査を行い音読、模倣、書字、自由発語が可能かを確認して、音の性質を確認致します。音程・つよさ・リズム・流暢性といった韻律や、単音・単語・会話の構音状態についても確認致します。
障害音を認める場合には母音か子音か、開鼻声等の共鳴障害の有無や、語音省略・置換・ゆがみについて確認し、ことばの速度と感覚的理解力について確認を行います。 -
その他のかくにん方法
神経学的諸検査や、発達心理学的検査、内分泌機能検査や環境因子の検査が必要に応じて行われます。また、X線、CT、MRI等の画像検査や、アレルギー検査、ウィルス感染についての確認を行うことがあります。