幼児期以後の障害

小児の嚥下障害口腔反射と吸啜新生児嚥下障害幼児期以後障害食道異物

幼児期以後の嚥下障害

 幼児期以後の嚥下障害では頭部外傷や脳動静脈奇形破裂、喘息発作による無酸素脳症、重症筋無力症など、やはり様々なものが原因となります。

 嚥下障害が非進行性の場合、機能訓練によって経口摂取が可能となる事があります。

 機能訓練は症例に応じた個別の対応が必要で、適切な姿勢を保持し頸部を安定させ嚥下訓練を行います。

 まず、小児では精神的な受容が困難なことが多いために積極的に取り組めるように工夫しつつ行います。


 間接的機能訓練には、顔面・口腔・咽喉頭に対してのマッサージや冷刺激があり、舌や喉頭運動の促進訓練や尿道バルーンカテーテルによる食道入口部の開大、口腔ネラトン法といったものがあります。

  直接的訓練では微量から経口摂食訓練を行います。訓練時の食形態についてはゼリーやヨーグルトなどの嚥下しやすいものから始めます。舌根運動障害に対する頸部前屈嚥下法や、食塊輸送障害に対しての頸部後屈法、声門閉鎖不全に対しての息どめ嚥下法、喉頭挙上障害に対しての Mendelson法、片側性麻痺に対しての頸部回旋法などがあります。


 家庭での機能訓練は機能訓練士の指導のもと、授乳や食べ物の投与法を工夫しリハビリテーションを行います。


 外科的治療を行うことは小児の場合ほとんどありません。

えんげのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     口腔・咽頭・喉頭粘膜の状態を直接診察したり間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。発赤腫脹や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。また、少量ずつお水を飲んで頂いて誤嚥の有無を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     咽頭・喉頭・頸部全域を含め、腫脹があるのか、リンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     お鼻から管を入れて、咽頭・喉頭の各部位の状態とその動き、協調運動が問題なく行われているのか、誤嚥が無いか、梨状窩に残存は無いか等を確認することがあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して頸部全域の性状を確認する場合があります。病変の有無やと病変と他の組織の境界面や病変内部の信号の違い、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     嚥下造影検査を行う場合があり、嚥下時の口腔から食道・胃までの造影剤の移動を観察し、嚥下開始のタイミングや誤嚥の有無、その機序や程度を動画として保存して確認することがあります。また、CT や MRI にて頸部から胸部の変化を確認し問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、リンパ節等を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。また、嚥下に関与する筋の筋電図を調べることもあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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