小児気管切開
小児の緊急気管切開は稀で、気管内挿管が長期にわたる場合などに声門下狭窄が生じることを防ぐために気管切開が考慮されることがあります。
基本的に体重が3kg 以上となってから行うことが良いとされていますが、挿管不能例に対しては緊急に切開が行われます。
実際の手術では、小児では気管軟骨を正中で縦に2・3輪切開してから気管軟骨と皮膚を縫合し、カニューレを適切な深さへ挿入します。
カニューレ留置後にカニューレが不用意に外れると短期間で呼吸不全に陥る危険があり、カニューレをしっかり首と胸に紐で固定し、状況により術後1日は人工呼吸器管理を行うことが望ましいとされています。また、栄養補給として術後2週間経鼻経管栄養を行います。
手術の合併症としては皮下気腫、縦隔気腫、出血、カニューレの誤挿入や閉塞、脱落、気管内肉芽形成が挙げられ、注意が必要です。
気管カニューレについては、体重を考慮しつつ様々なメーカーの製品を使い分けます。
気管切開後の管理について早期から在宅医療に向けて指導が開始されます。吸引法や固定紐の交換方法、入浴時の注意点、カニューレ自然抜去時等の対処法について詳細に説明を受けて頂きます。
きかんのけんさ方法
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くだを入れてかくにん
お口やお鼻、気管切開口から管を入れて、気管の各部位の状態を確認することがあります。その他にも手術の時には硬性気管支鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて観察する事もあります。 -
画像でかくにん
気管・気管支のX線撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった体を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。 -
細胞や組織の状況をかくにん
必要に応じて生検鉗子を利用して細胞を取って、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
その他のかくにん方法
アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。