声門下喉頭炎

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声門下喉頭炎

 声門下に急激に浮腫を生じる急性喉頭炎の一種で、仮性クループともいわれます。6ヶ月~3歳児に好発し、特に1~2歳の乳幼児に多く生じます。上気道で内腔の最も狭い声門下の部位はリンパ管・動静脈が豊富であり、浮腫を生じやすく、急性の気道閉塞の状態となります。

 原因にはパラインフルエンザウイルスが最多で、インフルエンザウィルス、アデノウィルスなども原因とされます。インフルエンザ菌・肺炎球菌・連鎖球菌などの細菌の混合感染も疑われます。

 症状としてくしゃみ・鼻水等の感冒様症状の後、病態の進行とともに続けて犬吠様咳嗽、吸気性喘鳴、嗄声などが生じます。呼吸困難は発作的に生じることがあり、吸気性で夜間に主に認められます。

 診察では全身状態と呼吸状態を評価して、頸部X線検査にて声門下浮腫を確認することがあります。喉頭ファイバースコープを用いて喉頭を観察して声門下粘膜が発赤腫脹していることを確認します。(ほとんど認められなくなったジフテリアとは寛解期や偽膜の有無で判別をします。)
 状態に応じてクループスコアにて重症度の判定や血中酸素飽和度のモニターを行います。大泣きすると呼吸状態が増悪することがあるため、侵襲的な処置は基本的に最低限で行います。




 治療としては急激な浮腫に対しステロイドホルモンを使用します。吸入療法を行い、細菌感染に対して強力な抗生剤の投与を行います。呼吸困難が強い場合には気管内挿管や気管切開が行われることがあります。

 ご家庭では安静の上、加湿しつつ水分を十分に取って、内服・経過観察となりますが、呼吸苦症状が著しい場合には救急病院の緊急受診も考慮する必要があり、注意が必要となります。


 その他にも、声門下浮腫は急性炎症やアレルギーの関与、非炎症性にも生じることがあるため、注意が必要です。

こうとうのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     喉頭粘膜の状態を間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。前傾姿勢でお口を開けて頂き、お口に入れた鏡で喉頭蓋、披裂部、披裂喉頭蓋ヒダ、声帯、仮声帯等に異常がないか、発赤や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     喉頭を含め、頸部全域に腫脹があるのか、喉頭周囲・頸部のリンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     詳細を確認する必要がある場合には、お鼻から管を入れて、喉頭の各部位の状態とその動きを確認することがあります。その他にも手術の時には喉頭直達鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて顕微鏡下に観察する事もあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して喉頭周囲を含め頸部全域の腫脹の性状を確認する場合があります。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     喉頭のデジタル撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった首を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、おくびのリンパ節自体を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. 音声機能のかくにん
     発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認致します。

  8. 声帯粘膜の振動をかくにん
     声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。

  9. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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