口腔反射と吸啜

小児の嚥下障害口腔反射と吸啜新生児嚥下障害幼児期以後障害食道異物

口腔反射と吸啜運動

 咽頭期の嚥下は胎生10-11週までに開始となり、吸啜は胎生18-24週までに認められて、嚥下と吸啜の連動が胎生
32週までに始まります。

 乳児には口腔咽頭に関する反射が様々に見られ、第1に
絞扼反射は胎生26週頃から終生みられる反射で、舌・頭部・下顎の前方突出運動と咽頭の収縮運動からなります。その他、歯齦刺激にて口を開閉する反射や口角刺激により頭部を回旋する反射、舌尖の刺激により舌を前方へ突出する反射などが乳児には認められますが、成長と共に消失します。

 生下時から生後6ヶ月ごろまで舌が二相性の蠕動運動を行い水分を咽頭へ送り込み、この運動を吸啜(きゅうてつ)といいます。舌運動は当初前後運動から始まり、次第に上下運動へ移行して水分移動を行います。

 成長につれて、液体のみの経口摂取から離乳食となり、生後1-2年で成人と同じ嚥下機能になり固形物摂取が可能となります。

 呼吸は、成人より喉頭の位置が高いために、吸啜中でも中断せずに併せて行われています。


えんげのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     口腔・咽頭・喉頭粘膜の状態を直接診察したり間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。発赤腫脹や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。また、少量ずつお水を飲んで頂いて誤嚥の有無を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     咽頭・喉頭・頸部全域を含め、腫脹があるのか、リンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     お鼻から管を入れて、咽頭・喉頭の各部位の状態とその動き、協調運動が問題なく行われているのか、誤嚥が無いか、梨状窩に残存は無いか等を確認することがあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して頸部全域の性状を確認する場合があります。病変の有無やと病変と他の組織の境界面や病変内部の信号の違い、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     嚥下造影検査を行う場合があり、嚥下時の口腔から食道・胃までの造影剤の移動を観察し、嚥下開始のタイミングや誤嚥の有無、その機序や程度を動画として保存して確認することがあります。また、CT や MRI にて頸部から胸部の変化を確認し問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、リンパ節等を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。また、嚥下に関与する筋の筋電図を調べることもあります。

    (このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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