小児耳下腺血管腫
小児の耳下腺腫瘍は稀ですが、病理学的分類では血管腫やリンパ管腫の割合が多く、特に乳幼児に頻度が高い特徴があります。
新生児から乳児期に発生することが多く、多くは出生直後から1歳半の時点で受診されます。
無痛の波動性腫瘤を耳下腺に触知して皮膚に血管新生を認めます。境界は比較的明瞭で内部の構造を触知することがあります。
超音波検査では内部構造を把握し、血管の拍動性を確認して、穿刺吸引にて血液の貯留を確認することで診断します。
治療ですが、腫瘍の大きさが著明でなければ数年間の間に自然退縮することが期待できるため、保存的に経過をまずは観察します。
摘出手術を行う場合は学童期以降に行われます。
だえきせんのけんさ方法
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目で見てかくにん
外見から腫脹がどの部分にあるのか、両側か片側か、皮膚の発赤腫脹はあるのか等を確認致します。 -
触ってかくにん
腫脹であればその程度はどのくらいか、硬いかどうか、周囲との癒着はあるのか、表面の性状は、皮膚の状態はどのようなものか等を確認致します。唾液腺を圧排してどのような唾液が出てくるかを確認したり、唾液管に石が詰まっていないか両手で体内外からはさんで確認することもあります。 -
超音波でかくにん
超音波の検査機械を使用して腫脹の性状を確認致します。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況や唾石という石の有無などを確認致します。 -
画像でかくにん
唾液管に造影剤を注入してレントゲン撮影を行い唾液腺の状態を確認したり、CTやMRIといった、断層で体の内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べます。途中で血管や血流のよい部分がよく区別出来るように造影剤を注射をして確認する事もあります。 -
細胞や組織の状況をかくにん
必要に応じて針を刺して細胞を取って顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、唾液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
その他のかくにん方法
アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。最近では唾液管自体に管を入れて、内部を確認している施設もあります。