補聴器装用の実際

  伝音性難聴の場合 (聴力改善手術後の聴力等)、聴覚機能自体がある程度残存している場合が多く、音を増幅して内耳に届けることで聴力改善が期待できるために、補聴器の良い適応となります。

  
感音性難聴(加齢性難聴等)に対しては、補聴器を装用し、出力制限や自動音量調整などの出力調整を行うことで、不快感を軽減した状態で残存聴覚を有効に活用して生活していくことが可能となります。


  感音性難聴で生じる両耳の聴力低下の場合、聴力低下のレベル語音明瞭度によって、一般に次のような対応がなされております。

1. 軽度の聴力低下の場合
  補聴器装用自体を希望されない場合が多く、経過観察となることも多いです。

2. 軽度~中等度の聴力低下、語音明瞭度が70%以上の場合
  
補聴器装用の最も良い適応とされています。

3. 中等度~高度の聴力低下、語音明瞭度が70%未満の場合
  補聴器の調整がやや難しくなるものの、
日常生活でのメリットが大きいと期待されます。

4. 高度以上の聴力低下、語音明瞭度が30%未満の場合
  残存聴力を利用する補助手段として補聴器を利用することとなります。
聴こえ・聴き取りの改善は極めて限定的です。


  補聴器はその機種によって得意とする難聴の程度が異なります。

  
聴力低下が高度になり、生活に大きな問題が生じてから初めて補聴器の装用をお考えになるのではなく、軽度~中等度の聴力低下の段階、例えばヒソヒソ声が聴き取れなくなり始めた段階から補聴器の装用をご考慮頂き始めることを、本来はお勧め致しております。

  軽度から中~高程度の難聴であればほぼすべての種類の補聴器が対応していますが、高度~重度の難聴の場合には「耳かけ型」または「ポケット型」の補聴器が主として対応しています


  最近の補聴器にはデジタル信号処理技術の発達により、様々な機能が搭載され、20年前よりずっと快適に補聴器を使い始めることが可能になっています。

  当院では丁寧な説明と1~3週間の補聴器の無料貸出しを行い、快適な補聴器装用を目指しております。