難聴の原因や低下のレベルを検査や診察を通じて正しく把握し、その状況に適した補聴器を選択して、正しく調整し使用していくことが大切になります。
「補聴器を買ったけどあまり使わなかったわ。」というお話を誰でも一度は耳にしたことがあると思います。
当院でも初めて受診された高齢者から、「高い補聴器をお勧めされて買ったのだけれど使わないで、2年ぐらいタンスの上に置きっぱなしにしていたのよー。今更だけど、何とかなりませんか?」というご相談を頂いたこともありました。
これでは困るのです。
問題が生じている場合、その多くは、
①補聴器を選ぶ時の検査が正しい精度で行われていなかったり、
②補聴器の選択が少しご希望と離れていたり、
③補聴器の調整(フィッティング)が適切に行われていない事によります。
また、
④補聴器に対して過剰な期待が有る場合や、
⑤購入以後も定期的に調整や清掃を行っていなかった
といったということが関係する場合も見受けられます。
補聴器には様々な種類があります。その中には決して安くないものもあり、また、基本的に両側装用する事がお勧めされております。
最近のデジタル補聴器では安価なものでも必要な処理機能を備えていることも多くなり、必ずしも高価な機器を使用することで、効果や満足度が最高となるというわけもはありません。
お一人お一人のその時の状況や使用目的に応じて、機械を選択してお使い頂く事が一番良いのです。
お安い補聴器であっても、「生活の質(QOL)」の向上を実感して頂くことも可能ですし、更なるご希望が有る場合に、ご希望にあわせて色々な追加処理機能が付いたやや高価な補聴器をご選択頂くと言う形で良いと思われます。
しっかりとした検査を行い、目的や状態に応じて、実際の毎日の生活の中でで調整しつつ補聴器を使って頂いて、効果を実感していただける様、当院では医師自身がフィッティングを行い、また、いくつかの補聴器販売店・認定補聴器技能者と連携しても診療致しております。
当院では医師が行うフィッティングの時には、信頼できる補聴器機器として、Phonak社・Widex社の補聴器をご紹介致しております。
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(当院医師は文部科学省科学研究費の補助により、スイス郊外スターファにある、Phonak本社を訪問し、補聴器開発の現状と方向性について本社管理部や設計製造部門、開発担当者・マーケット担当者らとdiscussion等を行って参りました。)
これからも正しい補聴器の社会への認知と普及、補聴器を装用したより良い皆様の生活のために、ご希望・ご質問が御座いましたら、上記経験も生かしつつ対応させて頂ければ幸いです。
何なりとお気軽にお問い合わせ下さいませ。
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