その他、補聴器についてよくある質問




補聴器をすると耳が塞がれたような感じがしますが、問題ありませんか?

  補聴器を使用していると耳栓の様な閉塞感を感じて困るという感想を持たれる方が多くおられます。

  補聴器を使う場合、確かにイヤホンを入れるのと同じ状態になるため、外耳道が覆われて閉塞感が生じます。また補聴器の挿入によって生まれた狭い空間内で補聴器の
増幅音が共鳴して閉塞感が生まれて、特定の子音の明瞭度の低下やいわゆる異聴の原因にもなります。

  対策として、外耳道内に差し込む部分に小さな換気口を作成し通気を行い、閉塞感を軽減させる試みが行われてきました。しかしながら、耳閉感はそれなりに残存し、また、ハウリングの原因となることもありました。

  これに対し、最近耳栓部分により大きな穴を開け閉塞感を感じさせない様にする、オープンフィッティングという技術が一部の補聴器に適用されています。デジタル処理技術の向上も寄与しました。   

  
オープンフィッティングに適した補聴器は耳かけ型、特にRIC型となります。


補聴器は正しく装用されているのでしょうか?

  補聴器を購入された場合、お帰りになられる前に
ご自身で補聴器の装着・取り外しが正しく行えているかを確認して頂くことが大切です。   

  補聴器にはその型や機種に応じた挿入方法があり、購入の時に最適な方法とコツを教わることとなります。

  誤った挿入では耳の不快感を誘発したり、増悪させたりする事がありますのでご注意下さいませ。


使用後数日ですが、耳の中の補聴器が擦れたり当たったりします。問題ないでしょうか?

  
原因として補聴器が外耳道にぴったりと留置できていない可能性が考えられます。

  耳穴型補聴器の場合、補聴器の
外殻を削ることで解決することが多いのですが、稀に印象採取から再度行い、補聴器を再作成することもあります。

  耳かけ型補聴器の場合、既成のイヤーチップのサイズがあっていないことが考えられますので、交換したり、
イヤモールド(耳型)を作成することを検討します。


耳が痒くなってきましたがアレルギーでしょうか?

  
稀にイヤモールドに使われている材質にアレルギーをお持ちの方がおられます。

  その他、元々湿疹等があり皮膚の弱い方や、以前から軽度の炎症がある方では、補聴器を使用すると汗や接着する直接の刺激から症状が増悪することがあります。

  
耳鼻科専門医や補聴器販売店にご相談頂けると良いと思われます。





他人の使っていた補聴器を使っても大丈夫でしょうか?

  ご家族や知り合いから古い補聴器を譲り受けて使いたくなるお気持ちはよく分かりますが、
他人の補聴器のご使用はお勧め出来ません

  外耳や外耳道の形が人それぞれに異なる様に、
難聴の程度も実際の細かな状態については1人1人全く異なっております

  多くの補聴器では装用者ごとに耳型が調整され、個別の聴力の低下に対して周波数毎に出力が加減され調整されて使用されています。

  他人の機器をそのままお使いになる場合、譲り受けた補聴器が
助けにならないのみならず、場合により有害となり外耳道の炎症や残存聴力を低下させる可能性がありますのでお気を付け下さいませ。


補聴器をつけていることを周りに知られないようにできませんか?

  補聴器は今ではかなり小型化され、デザイン性までも考慮され開発・販売されております。

  機器自体が外耳道の中に入り込み外部からあまり見えなくなった
耳穴型という補聴器が販売されています。そして、より新しくは、完全に外耳道内に入れ込むタイプである、”見えない補聴器”というものも販売されています。

  
耳掛け型についても、レシーバー(スピーカー)を補聴器本体の外に出し外耳道に入れることで、かなり小型化され耳介の裏に隠れる程度となった補聴器も販売されています。

  メーカーによってはカラフルでスタイリッシュな機器となり、音楽プレーヤーの使用と間違われる程、補聴器装用による心理的な負担は低減されていると言えます。

  (実際に音楽をスマートフォン経由で補聴器から聴くことが出来る機種も販売されています。)


購入後のアフターケアは必要なのでしょうか?

  補聴器の調整はご購入時の1度で終わることはなく、
定期的継続的な調整・サポートが必要となります。

  聴力は経時的に自然に変化・低下する可能性がありますし、補聴器内の調整プログラムが更新することもあります。最適な状態に合わせるために設定変更がその時々に応じて必要になります。

  補聴器がどの程度、その時期に役に立っているかを確認しつつ、気になることがありましたら、お気軽に補聴器相談医や補聴器販売店から調整を受けることをお勧め致します。


購入後も定期的に聴力測定が必要なのでしょうか?

  加齢性難聴の場合、補聴器の使用開始後も継続的に
少しずつ自然に聴力が低下していくことが予想されます。

  聴力が変動し
聴力低下と補聴器の出力が合わない場合には、補聴器に求められる望ましい効果が得られなかったり、補聴器の使用により聴力が通常より早く低下していってしまう可能性もあります。
  
  補聴器装用開始後は調子が良いと思われる場合でも、
半年に1回程度の定期的な聴力検査をお受け頂く事をお勧め致しております。