慢性中耳炎

急性中耳炎滲出性中耳炎耳垢栓塞外耳道炎外耳道異物外耳道狭窄耳介軟骨膜炎 耳介血腫先天性耳瘻孔外リンパ瘻慢性中耳炎 真珠腫性中耳炎 癒着性中耳炎コレステリン肉芽腫おみみの奇形おみみの外傷

慢性中耳炎

 慢性中耳炎では、鼓膜に穿孔がある慢性化膿性中耳炎と鼓膜の一部が陥凹して表皮が中耳腔に進展し、その剥脱物が蓄積する中耳真珠腫、滲出性中耳炎の後遺症となる癒着性中耳炎、コレステリン肉芽腫が挙げられます。

 通常は急性中耳炎や滲出性中耳炎が元となって発症します。



 特に中耳真珠腫では乳幼児に正常な鼓膜を通して透見される先天性の鼓室型中耳真珠腫が増加しています。

 
慢性化膿性中耳炎

 幼少期の急性中耳炎などの急性感染が反復・長期化することによって鼓膜の中心性穿孔を慢性的に生じることがあり、持続的に粘液性又は膿性の耳漏を認めます。

 抗生剤の進歩等により、近年では症例数が減少しており、小児においては鼓膜の再生が強く、外傷性のものであれば、自然閉鎖する事がほとんどです。

 治療としては保存的に清掃や抗生剤の点耳等でしばらく経過観察をしますが、根本的には穿孔閉鎖を目的として手術治療しかなく、鼓膜を形成し、聴力の低下を認める場合には合わせて鼓室形成術を行います。

おみみの検査の方法

  1. 目で見てかくにん

     鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。
  2. 大きくしてかくにん

     鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。
  3. こまくの動きをかくにん

     お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。)
  4. 聞こえ方のかくにん

     通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。       聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)