小児耳下腺悪性腫瘍
小児の耳下腺悪性腫瘍では、病理組織分類上で粘表皮癌が圧倒的に高頻度で発生します。
症状としては、顔面神経麻痺、疼痛や急激な腫瘍増大を認める為に悪性が疑われます。まず、穿刺吸引細胞診などにて術前診断を試み、併せて早急に摘出術を行います。
治療の第1選択は手術による摘出で、耳下腺部分切除か全摘手術を施行し、場合により拡大全摘出術を行います。
顔面神経は耳下腺内を走行しているため、術後顔面神経麻痺が生じることあります。腫瘍浸潤から顔面神経を切除する場合が有り、、この場合顔面神経再建術を行います。
その他の悪性腫瘍、未分化癌や扁平上皮癌に対しては放射線治療を行いますが、粘表皮癌や腺様嚢胞癌に関しては議論があります。
放射線治療を行った場合には照射後の唾液腺障害、骨の発育障害、晩発性の発癌誘発の可能性を考慮する必要があります。
だえきせんのけんさ方法
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目で見てかくにん
外見から腫脹がどの部分にあるのか、両側か片側か、皮膚の発赤腫脹はあるのか等を確認致します。 -
触ってかくにん
腫脹であればその程度はどのくらいか、硬いかどうか、周囲との癒着はあるのか、表面の性状は、皮膚の状態はどのようなものか等を確認致します。唾液腺を圧排してどのような唾液が出てくるかを確認したり、唾液管に石が詰まっていないか両手で体内外からはさんで確認することもあります。 -
超音波でかくにん
超音波の検査機械を使用して腫脹の性状を確認致します。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況や唾石という石の有無などを確認致します。 -
画像でかくにん
唾液管に造影剤を注入してレントゲン撮影を行い唾液腺の状態を確認したり、ＣＴやＭＲＩといった、断層で体の内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べます。途中で血管や血流のよい部分がよく区別出来るように造影剤を注射をして確認する事もあります。 -
細胞や組織の状況をかくにん
必要に応じて針を刺して細胞を取って顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、唾液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。 -
その他のかくにん方法
アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。最近では唾液管自体に管を入れて、内部を確認している施設もあります。