おかおのまひ

先天性顔面神経麻痺耳炎性麻痺外傷性麻痺 Bell麻痺Hunt症候群

こどもの顔面神経麻痺

 こどもの顔面神経麻痺では、 成人と比較してBell麻痺や Hunt症候群の占める割合が少なく、中耳炎によるものや外傷性・先天性のものが多い特徴があり、白血病、川崎病、伝染性単核球症といった全身疾患の随伴症状として比較的高頻度に認めます。
 また、こどもの場合、自覚症状の訴えが不正確で情報が得られにくく、治療の協力を得にくいという特徴があるのですが、幸い多くの場合、成人と比較し予後良好です。



 こどもの顔面神経麻痺は生下時麻痺と後天性麻痺に大別され、原因としては、、、
先天性のもの、12鰓弓症候群や Treacher Collins 症候群等

感染性のもの、Bell麻痺 Hunt症候群、伝染性単核球症、エイズ、中耳炎など
外傷性のもの、分娩、頭部外傷、耳下腺手術等。
自己免疫の関係するもの、ギランバレー症候群、サルコイドーシス、
Wegener肉芽腫症など
新生物に関するもの、白血病、耳下腺腫瘍など、

特発性のもの、Melkersson-Rosenthal
症候群など
                    に分類されます。、

 成人と比較して5歳児
以下の場合では、 Bell麻痺や Hunt症候群の頻度が約50%と少なく、先天性や耳性・外傷生麻痺が多い傾向があります。


 原因検索には問診と視診が不可欠で、血液検査やウイルス抗体価の検索が必要となりますが、子供の場合、自覚症状が不正確で正確な情報が得がたい場合が多いという特徴があります。。

 麻痺の程度と部位診断の為に、神経興奮性検査、誘発筋電図検査、筋電図検査、瞬目反射などの電気生理学的検査を行い、その他アブミ骨筋反射、流涙検査、味覚検査などが行われます。

 手術療法を考慮する場合には、鎮静下に電気生理学的検査を行って状態を確認する必要があり、完全麻痺に加え神経興奮性検査で無反応、誘発筋電図で
10%以下の場合、減荷術が考慮されます。

おかおのまひのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     お顔の状態を確認します。お口を開けたり、口角を動かしたり、鼻を動かしたり、眼を閉じたり、額にしわを寄せて、お顔の筋肉の動きを確認致します。また、お耳や頭皮に水疱や発赤がないか、腫れや痛みを伴わないかを確認します。結膜や涙の状態も確認が必要です。

  2. 触ってかくにん
     顔面神経の経路で異常が無いか確認します。耳下腺の腫脹や、側頭部の骨折・変形の有無を確認致します。

  3. 刺激してかくにん
     障害の程度と予後を判定するために、耳下部で顔面神経を刺激して顔面の筋肉の収縮や活動電位を確認します。また、筋電図により神経再生の状態を把握したり、瞬目反射を調べたり、舌を電気刺激して味覚を感じるか確認したり、強大音刺激に誘発されるアブミ骨筋の反射の有無を確認することがあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して耳下腺から頸部全域の腫脹と性状を確認する場合があります。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     側頭骨X線撮影やCTやMRIといった頭頸部内部の変化を断層で確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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