喉頭狭窄

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喉頭狭窄・声門下狭窄

 喉頭狭窄は喉頭軟弱症や喉頭横隔膜症、喉頭奇形や反回神経麻痺・瘢痕狭窄といった様々な疾患で生じますが、その他にも交通外傷などの外傷で生じる事があります。この場合、輪状軟骨・甲状軟骨の破損と披裂軟骨の脱臼等等が複合し、肉芽形成・瘢痕性狭窄が加わり狭窄が高度となる事があります。

 声門下狭窄では特に迅速な診断と正確な対処が求められます。多呼吸・鼻翼呼吸・陥没呼吸やチアノーゼの有無を確認し、全身状態の評価を行い、気道病変のみではなく全身疾患の有無を確認することが必要となります。




 検査として、迅速診断にはファイバースコープでの確認を行い、頸部X線、CT、MRI、超音波検査などの画像検査も行われます。

 治療では、狭窄が軽度であればまず保存的に経過観察を行い、酸素吸入や点滴を施行し、症状が固定した後に加療方針を決定致します。状況により気管内挿管から気管切開を行い気道確保し、喉頭再建を行うことがあります。

 手術治療の基本として、第一に気道確保のために軟部組織肥厚や瘢痕肉芽組織の切除を行い、状態に応じて喉頭截開や喉頭の種々の軟骨形成を行って、内腔にステント・Tチューブを留置し喉頭・気管の形態を復元させます。

 小児の場合、気管切開が長期となると肉芽形成や心理的依存でカニューレ抜去困難症となる事があります。原因疾患を早期に治療しカニューレ抜去を図ることが望まれますが、併せて言語獲得のため、声門上まで空気が到達する場合にはスピーチバルブなどを用いて発声・発語の訓練を行います。

 声門下狭窄を基礎疾患として認める場合には軽度の感染・炎症で呼吸困難を生じることがあるために、普段から注意が必要となります。

こうとうのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     喉頭粘膜の状態を間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。前傾姿勢でお口を開けて頂き、お口に入れた鏡で喉頭蓋、披裂部、披裂喉頭蓋ヒダ、声帯、仮声帯等に異常がないか、発赤や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     喉頭を含め、頸部全域に腫脹があるのか、喉頭周囲・頸部のリンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     詳細を確認する必要がある場合には、お鼻から管を入れて、喉頭の各部位の状態とその動きを確認することがあります。その他にも手術の時には喉頭直達鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて顕微鏡下に観察する事もあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して喉頭周囲を含め頸部全域の腫脹の性状を確認する場合があります。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     喉頭のデジタル撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった首を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、おくびのリンパ節自体を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. 音声機能のかくにん
     発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認致します。

  8. 声帯粘膜の振動をかくにん
     声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。

  9. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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