喉頭軟弱症

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喉頭軟弱症

 喉頭の枠組みを形作る軟骨が脆弱で、生後まもなく喘鳴や呼吸困難を生じるものを喉頭軟弱症といいます。生下時の喘鳴が主な症状となりますが、呼吸量の増加とともに生後1~2週間で喘鳴の増強を生じ気づかれることが多く、通常は成長につれて1~2年以内で自然治癒します。

 気道狭窄は吸気時に喉頭の披裂部、披裂喉頭蓋ヒダ、喉頭蓋といった部分が喉頭内に吸い込まれ陥入することで生じますが、多くの場合呼吸障害は軽度です。
 稀に全身疾患を合併している場合に哺乳障害から発育不全を生じることがあり、経管栄養や気管切開などの処置が必要なことがあります。

 診察では喘鳴の発症状態と体位で変動する吸気性の呼吸困難から本症を疑い、喉頭ファイバースコープにて喉頭を観察して診断を行います。その他に先天性異常等の有無を併せて確認します。



 治療としては、大部分は体重増加とともに軽快するため経過観察を行います。哺乳障害のため発育障害がある場合に、哺乳の工夫を行い対応します。 チアノーゼが頻発する場合や重症例は気管挿管や気管切開等も考慮し、合併症を認める場合にはその治療も併せて行います。
 稀に誤嚥性肺炎を繰り返し発声障害のある小児に喉頭気管分離術が考慮されます。

こうとうのけんさ方法

  1. 目で見てかくにん
     喉頭粘膜の状態を間接喉頭鏡という鏡を使用して確認します。前傾姿勢でお口を開けて頂き、お口に入れた鏡で喉頭蓋、披裂部、披裂喉頭蓋ヒダ、声帯、仮声帯等に異常がないか、発赤や潰瘍、腫瘍は出来ていないか、声帯の動きに問題が無いか等を確認致します。

  2. 触ってかくにん
     喉頭を含め、頸部全域に腫脹があるのか、喉頭周囲・頸部のリンパ節の状態がどうか、喉頭の挙上・下降のタイミングに問題が無いか、、等を確認致します。

  3. くだを入れてかくにん
     詳細を確認する必要がある場合には、お鼻から管を入れて、喉頭の各部位の状態とその動きを確認することがあります。その他にも手術の時には喉頭直達鏡といって、まっすぐな金属製の筒を入れて顕微鏡下に観察する事もあります。

  4. 超音波でかくにん
      超音波の検査機械を使用して喉頭周囲を含め頸部全域の腫脹の性状を確認する場合があります。病変と他の組織の境界面や病変内部の信号、病変を通過した後の信号の状況などを確認致します。

  5. 画像でかくにん
     喉頭のデジタル撮影や造影検査を行う場合があり、CTやMRIといった首を輪切りにして内部の変化を確認する機械を使用して問題が無いかどうかを調べる事があります。途中で造影剤といって、血管や血流のよい部分がよく区別出来るようにする注射をして確認する事もあります。

  6. 細胞や組織の状況をかくにん
     必要に応じて針を刺して細胞を取ったり、おくびのリンパ節自体を摘出して、顕微鏡下に細胞の状態を確認いたします。また、痰や粘液等を採取してどのような細菌に感染しているのか、またはどのような状態の変化が認められるのかを確認します。

  7. 音声機能のかくにん
     発声して頂いて、声の高さ・強さ・音色について確認致します。声がれ(嗄声)を認める場合、大まかな嗄声の状態、ガラガラ度合い、息漏れの程度、力のなさや、努力の程度などを確認致します。また、発声の持続時間がどの程度かを確認致します。

  8. 声帯粘膜の振動をかくにん
     声帯をストロボ撮影して、声帯振動の規則性や振幅、固定の有無、声帯の粘膜波動の状態や声門の閉鎖状況について確認することがあります。

  9. その他のかくにん方法
     アレルギー性疾患の関与が疑われる場合には採血して原因物質について確認を行います。ウィルス感染やその他の感染症等が疑われる場合にも採血して確認をすることがあります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)

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