コレステリン肉芽腫

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コレステリン肉芽腫

 難治性中耳炎であり、中耳腔の換気不全が発症の基礎にあります。

 耳管の機能不全による換気障害が中耳粘膜に炎症性変化を起こして、多量の滲出液の産生と血管拡張、そして血液の漏出が引き起こされます。この中耳腔に漏出した血液成分に対しての異物反応によって肉芽腫が形成され、この病態が生じるとされます。

 10歳代に好発しますが、通常一側性です。鼓膜所見では青色鼓膜や鼓膜の膨隆を認め、鼓膜穿刺や切開にて褐色の滲出液が見られるのが特徴です。

 治療としては保存的に鼓膜換気チューブ留置術が行われることが多いのですが、乳突腔削開などによりコレステリン肉芽腫を除去した上で鼓膜チューブ留置を行い中耳腔の換気の改善を図ったり、再発するようであれば中耳腔の充填が必要となります。


おみみの検査の方法

  1. 目で見てかくにん

     鼓膜を直接観察致します。鼓膜の色はどうでしょう、腫脹はないか、混濁や発赤、充血はないか、またはお水が溜まっていたり、あぶくが透けて見えていたり、肉芽(かさぶたをはいだ時のモコモコした組織)が無いか、陥凹していたり、内側の壁に癒着していないか、穿孔(穴)がないか、、等鼓膜の状況を確認するのです。。
  2. 大きくしてかくにん

     鼓膜の状態や、鼓膜の内側のお部屋の状態を顕微鏡でみて確認します。また、針状鏡といって、針ほどの細さの特殊な内視鏡を使用して確認することがあります。
  3. こまくの動きをかくにん

     お耳の穴に栓をした状態をとした上で、機械で鼓膜に気圧を加えたり、引いたりして鼓膜の動き具合を調べます。正常では鼓膜の内側も外側も空気ですので、同じ圧力の状態となっております。鼓膜はその名の通り”膜”ですので、押したり、引いたりすると鼓膜が良く動きます。しかしながら、鼓膜の内側のお部屋の中に水が溜まっていたり、鼻のすすりすぎから、鼓膜の内側のお部屋が陰圧になっていると、鼓膜の動き方が変わってきます。この、鼓膜の動き方をグラフにして表して確認いたします。 (鼓膜の内側のお部屋のの圧力を調整してくれる耳と鼻の間にあるの管の機能が悪くなると鼓膜の動きが悪くなり始めます。)
  4. 聞こえ方のかくにん

     通常我々は音がした場合には、密度波となった振動音を鼓膜が受け取り、その振動を鼓膜の内側のお部屋にある小さな3つの骨が、内耳というセンサー部分まで増幅しつつ伝えて、この機械振動が内耳にて電気信号として変換されて脳へ送送られて、最終的に音として知覚されます。この経路のいずれかに問題が生じると聞こえの能力が下がります。       聞こえを確認するためには、自覚的な検査と他覚的な検査があります。乳児であれば、生下時に新生児スクリーニングを受けることが多いと思いますが、OAEという検査を行ったり、ABRやASSRといった刺激に対しての脳波を測定加算して、反応の有無を検知する事によって聴力を調べることが可能です。幼児となると、おもちゃを利用して聞こえの検査を行ったり、5歳以上となると成人と同じ聴力検査が可能となります。

(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)