こどもとじびか

このサテライトHPについて

 さて、この ”こどものびょうきととじびいんこうか” サテライトHPでは ”みみ・はな・のど” をはじめとする、お子様がかかりやすい病気について主に部位別・疾患別ににまとめました。

 こどもは大人へと成長する途中であるために、からだが発育中であり、からだのそれぞれの部位も成熟していく過程にあるのですが、それに併せて免疫機能も発達途中であったり、集団生活で他人と密接に生活する機会も多かったりなど、どうしてもいろいろな病気にかかりやすい傾向があります。
 また同じ病気にかかっても、小さい赤ちゃんなど、ご自身のからだの状態を表現する方法が限られている為にどうしても発見が遅れ、重症化・遷延化してしまう傾向があります。

 
病気にかからないように予防することがまずは第一ですが、万が一お子様が病気にかかってしまった場合でも、症状の軽いうちに早めに病院にお連れて頂いて加療を開始することによって、速やかな症状の回復を見込むことが可能となります。

 このサテライトホームページでは、これまでの我々の診療経験に基づき、『各病気の症状説明』のみならず『診察時の検査法や治療について』もお書きしています。記載した病気や検査内容については、病気の全容をある程度把握して頂くために一部診療所レベルでは全て行えないものも含めてお書きしておりますが、必要があれば専門の病院へご紹介させて頂いて詳しい検査や治療を追加で行うこととなります

 ぜひお気軽にこのサテライトHPを一度ご覧いただき、こどもの病気に対して更なる正しい知識を備え、御確認頂いて、今後のお子様の病気の予防と治療、健康保持との健やかな成長のためにお役立て頂ければ幸いです





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こどもとじびかの深いつながり

 ご存じのように、お子様のからだは、耳鼻科・耳鼻咽喉科と深いつながりがあります。

 最も身近な例は
耳垢(みみあか)です。幼いお子様ほど、外耳道も狭く、からだの代謝も盛んに行われているために耳垢がたまりやすい傾向があります。

 
耳垢があると、耳栓をして耳を塞いでいる時の様に聞こえが悪くなるため、反応が鈍くなってしまいます。これは空気の振動である”音”が鼓膜に伝わら無くなってしまっているからで、気づかず放置していると、言葉の発達や知能の発育・成長に影響を与えてしまうことも無いとは言い切れないのです。
 ご家庭での普段のお耳掃除で上手に耳垢を取り除くことが出来ていれば問題は無いのですが、綿棒で触っているだけですと、耳垢が少しずつ外耳道の奥の方・鼓膜の方へ押しやられてしまって、どこかの時点でそれらの垢が蓄積して塊となり、外耳道をふさぎ込む、、、、ということが時々生じてしまいます。
 また、洗髪時に耳に水が入ったり、プールに入ったりしてこの塊の耳垢が水に濡れると、水を吸ってさらに膨張するために外耳道を圧迫し耳が痛くなってしまうことがあります。
 痛みが強かったり、塞がり感が長い間改善しない場合には耳鼻科への受診をお勧め致します。

 他方、お鼻についても身近な例を一つご説明致します。
 一般に3-4歳児頃までは子供は1人では上手に鼻をかむことが上手にでき無いことも多いのですが、特に慢性的に鼻炎のあるお子様では鼻水・鼻づまりに対して状態を改善しようと無意識に
鼻すすりを繰り返してしまっていることがあります。
 
鼻すすりを続けていると、鼻と耳をつないでいる管(”耳管”といいます)に陰圧が加わり、この耳管がその陰圧の加わった状態でロックして、耳管のもっと奥にある鼓膜の内側の空間(”鼓室”といいます)も陰圧で固定された状態となってしまいます。
 
本来耳管というのは、つばを飲んだり、食べ物を食べたりしたときにこれに巻き付いた筋肉の収縮により管の内腔の空気の換気を行い、鼓膜内側のお部屋の圧力(”鼓室内圧”といいます)と、体の外側の気圧(”外気圧”ですね)と同じとなる様に調節してくれる働きがあるのです。
 しかしながら、
鼻すすりで陰圧にロックされてしまった耳管は本来の機能を発揮することが出来ず、鼓室の空間が陰圧の状態が持続して、耳が”ぼー”っとした少し聞こえの悪い状態になります。
 この状態を”
耳管狭窄”といいますが、この状態を放置していますと、鼓室内の粘膜壁周囲から浸出液がしみだして鼓膜の内側に溜まり”滲出性中耳炎”という状態となったり、そこに細菌が感染して炎症を起こし、発熱や痛みを伴う”急性中耳炎”となることもあるのです。



 
 幼少時には耳管自体の機能が発育途中であり、4歳児程度までは比較的高頻度で耳管狭窄は認められます。そのうちのある一定割合のお子様は残念ながら滲出性中耳炎を生じる事となります。そして、この耳管機能が十分発育していない子供の場合、滲出性中耳炎の状態がだらだらと遷延していく事もよく認められるのです。

 診療所でお鼻を吸引してきれいにしたり、お鼻の穴から空気を送る処置をしたり、霧状のお薬の吸入をしたりして、お家でアレルギーや炎症に対してのお薬を内服して頂いたりするのは、
全てお鼻や耳管の機能を改善して、耳管狭窄の状態が改善するように促してあげたり、滲出性中耳炎が遷延化しないように方向付けをしているのです。

 時には一見、”お鼻がでなくなったので、もう良くなったのでは?”と感じられがちなのですが、確かにお鼻が通りが良くなって、鼻水も無くなったとして、それは非常に嬉しい大きな一歩前進なのですが、そもそもは
この鼻と耳をつなげて換気をしてくれている”耳管”という管の機能が改善してくれないと、耳管狭窄や滲出性中耳炎の状態が完全に治ることが無く、この為鼻水は無いのにも関わらず、お耳が聞こえの良くないな状態がだらだら続いたり、お薬を止めてしまうと炎症・再発を繰り返していくということになるのです。

 大切なお子様のみみ・はな・のどを含めた健やかな成長のためには、一見あまり大きな問題の無さそうな、そんなちょっとした変化に着目して、状況によって耳鼻科・耳鼻咽喉科を上手に使って頂くことが、そこに隠れている可能性のある病気の状態の悪化・遷延化を予防するために大切なのかもしれません。

 耳垢がつまっていたり、ちょっと鼻水がでているな、、耳をさわったり、頭を振ったりしているな。。なんだか返事がないことが多いわね。。昨日からあまり食べなくなったわ、、等という
子供のちょっとしたいつもと異なるしぐさ・症状を認めて、それがしばらく継続するような場合には、一度おみみ、おはな、おのどの病気を少しだけ疑って、必要があれば耳鼻科への受診をお考えになられてみても良いかもしません。





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では、どのようなときに耳鼻科を受診するべきか?
 
 
まず、耳鼻科の対象とする”みみ、はな、のどの病気”について、こどもと大人での違いにはどのような特徴が挙げられるのでしょうか?。

子供では、、
1.本人が自分の症状を上手に表現することが困難。
2.周囲が子供の状態を正確に把握することが難しい。

 
 そうなのです。

 
子供は自分の体の状態を客観的に判断・表現できません。

 耳の聞こえが悪くても、鼻のつまりがひどくても、、、痛みが無ければ、それが本来異常ではなく、その様なもの(”これって正常では?”)と知覚してそのまま違和感を感じず時間が過ぎていくことがあります。 この時には、むしろその正常と異なる問題のある状態に自ら順応しようとしていたり、異常がはっきりしてからご両親がお気づきになられたり、3歳児検診や就学児検診にて指摘されて初めてこれが問題であったと気づかれた、という場合が稀ではないのです。。

 そして、仮にご両親がお気づきになられ、異常が多少気になられた時、外耳道があまりにも細く小さく、鼻腔も狭く、ご機嫌が悪く協力的では無かったり、お話が十分に出来ず、状態の把握が出来なかったり、またはご両親自身もお忙しかったりして、、、、”はっきり分からないわね、、、でも、泣いたり、お熱も出ていないし、多分大丈夫♪。”という事で、
周囲の人が子供の状態を正確に評価できずに、放置されている場合が意外にも非常に多いのです。





 もちろん、軽い鼻炎であったりであれば、そのまま様子を見ていれば問題のないこともあるのですが、次のようにご両親が何か引っかかりを感じる場合、には一度耳鼻科受診をご考慮下さいませ。

例えば、

”最近少し咳と鼻水が出ていたけれど、今日はちょっと汚いし、そしてご機嫌が悪いわ。”

”お鼻は前からでてたけれど、一昨日から右耳をコンコンし始めたのね。。変だわ。”

”この子、最近急に無視することが多くなったわ、集中しているだけなのかしら??”

”熱が出て、朝から何も食べなくなったわ、おかしいな??”

                        など、、、

 
ちょっとした気になる症状でも、いつもと違うなと思われた場合には、念のためにも、お気軽に一度受診していただくと良いと思われます。

 もちろん、既にご存じとは思いますが、早めの受診をして加療を始めることによって、

 ”夜中に急に熱が出て夜間急病センターへ行ってきたの。この子、可哀想に一晩中ぐずって一睡もできていなかったのよ。私もちょっと大変だったわ。(>_<) ”

、、、などということも防ぐ事が可能となると期待されるのです。。。。

 保護者の皆様も、お忙しい中お子様を連れて受診するのは大変かとは思います。でも、
お早い段階での受診によって症状の不必要な悪化を予防することができ、お子様にとってほんのちょっと早く受診していれば感じないで済むはずであった不快な思いをさせずに病気を終えることが出来るのならば、早めの受診はとても意味のあることになりますね。。。

 その他にも
早めの受診をすることによって、結果的に通院回数を減らすことが出来、治療期間の短縮と健康増進、健やかなこれからの発育へと繋げていくことが出来ると期待されるのです。。

 このような観点から、お困りの場合は、お気軽に耳鼻科・耳鼻咽喉科への受診をご考慮になられることをお勧めさせて頂きます。





(このHPは小田原市JR鴨宮駅、ダイナシティウエスト北側駐車場に面したゆげ耳鼻咽喉科の”子供の病気と耳鼻咽喉科”についてのサテライトHPです。)