補聴器についての諸統計

  補聴器工業会の出荷統計によりますと、2019年の補聴器出荷台数は約61万台で、その内、耳かけ方が42万台、耳あな式が17万台 、ポケット型が17000台となっております。  

  
  2015年時点の統計では、自己申告にて
国内の難聴者率は11.3%であり、推計で約1430万人の方が聴覚低下を感じているとされます。

  国際比較ではドイツが12.1%、アメリカが10.6%、イギリスが9.7%、フランスが9.3%。


  同じく、2015年時点で補聴器の普及率については日本は13.5%であり、推計で約2000万人が補聴器を使っている状態でした。

  イギリス42.4%、ドイツは34.9%、フランスは34.1%、アメリカ30.2% 。
  海外諸国と比較し、難聴者の補聴器使用率はかなり低いものといえます。欧米諸国の使用率の高さは前述の通り、
公的補助の程度が関係していると推定され、2018年から医療費控除が申請し易くなったことから、今後日本での使用率が多少上昇していくことも予想されています。

  
  2015年の統計では、補聴器使用の
全体の満足度としては日本では39%でした。その他、イギリス70%、ドイツ77%、フランス84% 。
  
  諸外国と比較しかなり見劣りしており、これは
日本にて認定補聴器技能者が認知されておらず、また不足しており、補聴器使用への理解や受容が不十分であるということを表していると推定されています





  以下、日本補聴器工業会によるJapan Track 2018調査報告によります。

  自己申告による国内
難聴者率は11.3%、18歳以上の13.2%でした


  補聴器所有者の80%が両耳難聴で、補聴器をもたない難聴者の56%が両耳の難聴でした。


  補聴器の普及率は全体の14.4%で、補聴器使用者の両耳装用率は45%でした。


  難聴に気づいてから補聴器を購入するまでに平均4年から6年が経過しており、補聴器が必要であると感じたのは中央値で70歳になった時でした。


  全補聴器所有者のうち54%がもっと早く補聴器を使用していればより快適な社会生活が送れたのではないかと思っていました。


  64%の方が補聴器の使用に満足するまでに3回から10回の調整が必要でした。


  補聴器1台の平均購入価格は15万円で、補聴器購入者の12%が購入時助成を受け、現所有の補聴器の43%が過去2年以内に購入されていました。 平均所有年数は3.5年、補聴器を新たに買い換えるまでの平均使用期間の中央値は5年でした。 





  補聴器は平均して1日7.6時間使用され、補聴器装用者の66%が補聴器が期待通りまたは期待以上に役に立ったと感じていました 。(3人に1人は不満があるという結果)


  補聴器装用者の89%が補聴器の使用により生活の質が何らかの改善をしたと感じていました。 


  補聴器所有者の7%が全く補聴器を使用せず17%が1日1時間しか補聴器を使用していませんでした。


  2018年の全体的な補聴器満足度は38%であり、2015年と比較して大きな変化は見られていません。補聴器装用により、安心感 や会話のしやすさ、自分自身の気持ち、において良い影響を受けたと報告され、補聴器装用者の89%が補聴器使用により何らかの生活の質の向上を実感したと報告されています。


  補聴器経験者の75%が補聴器の為に人からからかわれたり仲間外れにされたりすることがないと感じており、仕事を持っている補聴器装用者の93%は補聴器が仕事上で役に立っていると感じていました。


  補聴器装用者は補聴器装用難聴者に比較してうつ病になるリスクが低く、難聴レベルの高い上位50%の補聴器非所有者は補聴器所有者と比べて夕方になると疲労を大きく感じることが分かっています。


  難聴者は補聴器を使用することで睡眠の質が向上すると感じると報告されていました。





  補聴器所有者の16%が補聴器周辺機器であるテレビストリーマー・リモートコントロール・携帯のアプリ等を補聴器販売店から勧められ使用しています。そのうち63%の使用者が満足していました。


  補聴器専門店で購入した補聴器は他の場所で購入した場合より満足度が高く、インターネットで購入した補聴器は満足度が著しく低い結果でした。


  両耳装用者は片耳装用者に比較して補聴器の満足度が高く、1日の使用時間が長く、補聴器を使用しない割合も低い結果でした。


  補聴器販売従事者からフィッティングを受けて購入した補聴器はインターネットで購入した通販補聴器集音器よりも満足度が高い結果でした。


  補聴器装用者の多くは自動車の近づく音や横断歩道を渡る時の信号音がよく聞こえるようになり、街中を安心して歩けるようになっていました。