効果 ワクチン接種がインフルエンザに対する最も有効な防御手段で、重篤な合併症や死亡といった健康被害を少なくする事が期待できます。 特に65歳以上の方、基礎疾患を有する方(心臓、腎臓又は呼吸器機能に障害あり身の周りの生活が極度に制限されている方、 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害があり日常生活がほとんど不可能な方)では、 重症化しやすいので、接種が勧められます。 年齢、体調、流行株とワクチン株の抗原性の合致状況等により効果は変わります。 接種から効果が現れるまで約2週間かかり、効果は約5カ月間持続します。 流行株は毎年変化しますので、その年に適したワクチンを接種し、予め免疫を高めておくことが大切です。 インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。 インフルエンザウイルス活性を失わせ、病原性を無くして免疫に必要な成分を取り出し作ったもので、ウイルスとしての働きは無くなっており、接種によるインフルエンザ発症の可能性はありません。 接種 通常日本での流行は12月下旬から3月上旬が中心です。 ワクチン接種による効果が出現するまでに2週間程度を要することから、12月上~中旬までには接種が勧められます。 2回接種の場合は、2回目は1回目から1~4週間(免疫効果を考慮すると4週間)後に接種します。 この場合1回目を早めに接種した方が良いです。 日本で使用されているワクチン ワクチン製造用ウイルスを発育鶏卵の尿膜腔内に接種して、培養・増殖させ、漿尿液から遠心して濃縮・精製しています。 その後、ウイルス粒子はエーテル等で処理されます。 副反応の原因である脂質成分の大部分を除去したHA画分浮遊液としてホルマリンで不活化して生成しています。 ウイルス株は、毎年世界保健機関(WHO)が世界中からのデータと専門家の意見を元に推奨株を決定します。 その後、 日本でシーズン前の人々の抗体保有状況や昨シーズンや世界各国のインフルエンザの流行状況を考慮し, 専門家会議の結果として厚生労働省により決定されます。 今年度の季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザA(H1N1)亜型(インフルエンザ(H1N1)2009)と同亜型)、A/H3N2亜型(いわゆるA香港型)、B型(山形系統)、B型(ビクトリア系統)の4種類が含まれたワクチン(いわゆる4価ワクチン)。 (これまでは3種類が含まれたワクチン(いわゆる3価ワクチン)でしたが、近年のインフルエンザB型流行が2系統ウイルス混合(山形系統とビクトリア系統)となってていることから、4種類が含まれたワクチン(いわゆる4価ワクチン)が導入されました。)