頭部外傷後聴覚障害

頭部外傷後聴覚障害
 頭部外傷を生じた時、中耳・内耳・後迷路に障害が生じうる
 外傷性迷路振盪症
  肉眼的変化を伴わず経時的に神経線維・神経細胞等に萎縮を来たす
  聴力低下・めまい・平衡失調などを生じることあり
 側頭骨骨折では、迷路壁骨折・迷路内出血・膜様部破裂等を生じうる
 骨折線により縦骨折・横骨折・斜骨折に分類
  縦骨折が最多
  横骨折では錐体骨を横切る骨折線が迷路・顔面神経管を損傷
 症状
  耳出血・髄液漏・顔面神経麻痺
  蝸牛・前庭症状を呈する
 加療
  頭蓋・脳損傷の治療を第一に行う
  感染予防のために抗菌薬等を投与
  状況に応じて手術を考慮
 予後
  受傷後3ヶ月を経て耳鳴・難聴が残ること回復困難
  めまいは多くの場合治癒、または代償され消失
 後遺症
  検査上異常所見が無くとも不定愁訴を訴えうる
  自律神経障害や循環障害・心因性素因の関与等が疑われる