発生

1.内耳の発生


 胎生2週頃に後脳原基側方の外胚葉が肥厚し
耳板を形成。
 その後、くぼみを形成し
耳窩となり、耳胞という嚢状になる。
 耳胞は上の
卵形嚢、下の球形嚢に2分する。
 卵形嚢からは
前半規管・後半規管・外側半規管の原基・膜膨大部が作成、7-8週で三半規管原基は完成。
 球形嚢からは
蝸牛管が出来、10-11週で2.5回転する。
 耳胞周囲は6-7週で
前軟骨状となる。
 8-11週で半規管外リンパ腔・前庭階・鼓室階等の
外リンパ腔が形成
 21週頃に外リンパ腔周囲軟骨組織が骨化し
骨迷路、ほぼ成人の大きさとなる。




2.外耳の発生

 
外耳道
  4週頃
第1鰓溝が深くなり1次外耳道となる。           12週に鼓室側壁まで達する外耳道上皮板が形成される。
  18週に骨性鼓膜輪が形成される。
  28週に内腔が生じ2次外耳道となる
 
 
耳介
  4週頃
第1鰓弓後縁第2鰓弓前縁に3つずつ、
             計6個の
耳介結節が形成される。
  これらが癒合し耳介を形成する。




3.中耳の発生

 
第1鰓溝が咽頭窩より陥凹、耳管と鼓室を形成する。
 耳管は12週より16週まで上皮細胞の増殖により閉塞している。
 
 
耳小骨
  第1鰓溝と鼓室間に
第1鰓弓、第2鰓弓由来の結合組織がある。
  第1鰓弓から
ツチ骨、キヌタ骨、鼓膜張筋原基が発生する。
  第2鰓弓から
アブミ骨、茎状突起、舌骨小角が発生する。
  原基周囲の結合織は吸収されて無くなる。
  10週では軟骨組織として間質内に埋まっている。
  
16週に骨化する。
 
 
鼓膜 
  外耳道と鼓室間の
中胚葉成分で作られたものが薄化、外側は外胚葉由来の外鰓弓の陥凹上皮、内側は内胚葉由来の耳管上皮に覆われる。