メニエール病

メニエール病
 有病率
  10万人に16人~38人、男女比は1
  男性は40代女性は30代にピーク、両側性が約3割
 病態
  
内リンパ水腫
   内リンパの産生過剰や吸収障害による
  内リンパ水腫により膜迷路が破綻、ヘルニアが発生したりラセン器・ラセン神経節細胞が変性
  内リンパ腔が水腫を生じ拡大し始めると耳閉塞感・耳鳴・難聴が自覚
  膜迷路ヘルニアから半規管膨大部を圧迫する時や圧上昇から膜迷路血流が低下した時にめまい発作が起こるとされる
  膜迷路が破綻するとめまい、蝸牛内外リンパに内リンパが流入すると難聴を生じるとされる
 原因
  内リンパ嚢機能異常や自律神経の緊張異常説
  アレルギー説や免疫不全説
  ストレスやウイルス感染説
  水代謝障害説等
 診断
  自発性の激しいめまいが突発的に生じ、反復
  低音障害その他の蝸牛症状を伴い、補充減少陽性で典型例
  グリセロールの内服または静注にて聴力が一過性に改善することあり
  蝸電図
   発作期にSP成分の異常増大による陰性 SP 増大現象
  平衡機能検査
   水平回旋混合性自発眼振
   発作期には患側へ、消退時には健側へ向かう事が多い
  温度刺激検査
   患側反応低下、一側へ向かう眼振準備状態を認めることが多い
 鑑別診断
  中枢性病変を除外
  てんかんや脳腫瘍・血管障害・感染等
  特に脳幹部腫瘍や椎骨・脳底動脈疾患を除外
  末梢性病変では良性発作性頭位めまい症や外リンパ瘻・めまいを伴う突発性難聴・内耳炎・前庭神経炎等を鑑別
 治療
  主に保存的に行われる。
  ストレスを避け安静、飲酒・喫煙の制限
 投薬
  発作期は炭酸水素ナトリウムや利尿薬
   必要により制吐剤や抗不安薬、ジフェンヒドラミンなど
  間欠期は利尿薬・浸透圧利尿薬・抗めまい薬・抗不安薬等
 保存的治療に抵抗する場合
  ゲンタマイシン等を鼓室内に注入することもあるが、聴力低下を生じ得る。
  内リンパ嚢開放術や球形嚢切開術・膜迷路摘出術・前庭神経切断術等を行うことあり
  鼓膜換気チューブ留置術を行うことあり