治療薬について

発症後48時間以内に内服する。抗インフルエンザ薬の内服により発熱期間は1~2日間短縮し、ウイルス排泄量も減少します。

経口薬のリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)と吸入薬のザナミビル(商品名リレンザ)が保険適応があります。

リン酸オセルタミビル(タミフル)ドライシロップは1歳以上の小児で使用可能です。
インフルエンザウイルスが生体の細胞間伝播する時に作用するウイルス表面のノイラミニダーゼを働かなくすることで効果を発揮。
ノイラミニダーゼはA、B型に共通でありますが、両型に効果があります。
上記薬剤は予防投与としても使用されることがあります。

M2イオンチャンネル阻害剤(アマンタジン:商品名シンメトレル)もA型インフルエンザの治療に使用されていますが、耐性株の形成に強く関与する点が問題となっています。


治療薬の安全性

妊娠中投与の安全性は確立していません。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ投与となります。
授乳婦に投与する場合は投薬中の授乳を避けることが勧められるます。

リン酸オセルタミビル(タミフル)は1歳未満の乳児に対する投与の安全性および有効性が確立していませn。

ザナミビル(リレンザ)は4歳以下の乳児および幼児に対する投与の安全性が確立していません。

リン酸オセルタミビル(タミフル)と異常行動に関しての厚生労働省の指示

『10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、 転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と 判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。また小児・未成年者については、万が一の事故を防止する ための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、異常行動の発現のおそれがあること、自宅において療養を行う場合、 少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。 なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。』




併用薬

日本小児科学会2000年
小児のインフルエンザに伴う発熱に対して使用するのであればアセトアミノフェンが適切です。

非ステロイド系消炎剤の使用は慎重にすべきとされています。